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2015年12月5日土曜日

最高のポットを作る

以前、ポットの修理という投稿で言っていたガラスの中瓶の交換と保温力を向上させる為に中栓を改造した話。

中栓を注文した時と同じように、中瓶も送料を惜しんで百貨店に注文したら、後で家に連絡が入り、アルフィ社がサーモス社に買収された影響で、つい最近になって中瓶の交換はサーモス社の引き取りでの修理になり税別で5千円になります、中瓶を部品で取り寄せる事は出来ません、と言われた。

さて、困った。保温力が悪くても毎日使っているので何週間も修理に出したくないし、まだネットなら手に入るはず、と思って百貨店の方は断った。それで、以前ネットで見かけた店にアルフィ社のガラスの中瓶を注文する。3500円に消費税280円と送料650円の合計4430円。

注文したのが10月28日。それから一向に発送の連絡が来ない。やっぱり部品じゃ買えないのかも。タイ旅行が迫ってきたので11月16日以降に届くようにお願いのメールを出していたら、タイから戻った翌日16日に届いた。中瓶にパッキンが2種類。写真の右側は今使っているパッキンと同じで、左側は形は少し異なるものの使用可能らしい。


早速交換して見ると、確かに保温力が向上した。写真は古い中瓶。底の部分にヒビが見えるのを前回ポットの凹みを修理した時に発見したのだった。ポットを落として凹んだのは底面の角だから、底面のど真ん中のヒビは買った時に既にあったものと思われる。つまり、買った時から不良品だったのだ。


しかし、買った時にこれをオカシイとは思わなかった。てっきり蓋から熱が逃げているのが原因だと信じていたから。そのように信じさせる程、このポットの蓋は熱くなる。それは、このポットが片手で簡単に開けて使える利便性の代償だとばかり思っていた。

実際、このポットの使い勝手はすこぶるよろしい。蓋を少し開けた開き加減でもお湯を出せるので、我が家ではコーヒーを淹れるのにも重宝している。

しかし、この部品を買ったお陰で余分にパッキンが付いてきた。このパッキンだけを注文することは(サーモス社の方針が変わらない限り)今後出来ないだろうし、今回も含めて後1回交換出来るのだから良しとしよう。

さて、このジュエルクロームというポットの保温性能だが、カタログ値は10時間で70度以上、24時間で55度以上らしい。蓋から盛大に熱が逃げている割にはポットとしてまずまずの成績だろう。何せ、蓋以外はガラス製の中瓶で銀メッキという保温力に関して最高の仕様なのだから。


中栓を交換した時に分解してみて、この中蓋が全く断熱されてないことに初めて気付いた。写真の右側は厚さ1mm程のゴムで中は空っぽになっている。

何故、アルフィ社は中栓を断熱しないのか。これだけ高いポットだからコストの問題ではないだろう。ホテルなどで使われる事が多いらしいから、蓋を触るだけで中のお湯がまだ熱いかどうか分かるためにわざとを断熱しなかった、というのが私の憶測だが。

しかし、我が家でこのポットを使う限りそんな事より保温力の高い方が有難い。車の改造で使ったスタイロフォーム(断熱材)の残りが家にあったので、早速土台にはめて見た。


発泡スチロールでも断熱性は同じだと思うが、スタイロフォームは加工性がとても良い。カッターナイフで切って紙ヤスリで形を整える。試して見ると確かに効果がある。しかし、これを作っている最中に土台の真ん中のパイプが無かったらもっと断熱性を良く出来るだろう、とも思った。

このパイプは一体何の為にあるのか。それを理解した上でパイプを取る。これが改造の基本である。で、これはお湯が冷めてきた時にゴム栓が凹むのを防止する為だろうと推測。それならパイプの代わりにゴム栓の中全体に断熱材を詰めれば良いだろう。


そして、これが今日作った改良型中栓である。土台のパイプは切り取って跡地は彫刻刀で丁寧に整地して断熱材を最大限に詰め込んだ。二段重ねにしたからまるで鏡餅である。そして、更に熱線を反射させようとアルミ蒸着フィルム(百均の店に置いてあるレンジ脇の壁に貼るもの)を載せる。もうこれ以上の断熱は出来ない、最強の中栓である、と思っている。

お湯の温度を測定するような事はしないけど、蓋を触ってその効果は分かる。その美しさと使い勝手に最強の保温性能が追加された。世界最高のポット(自己満足)の完成だ。