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最高の日本語環境

日本語入力の方式はパソコン黎明期から変換の精度向上や予測変換機能の追加という変化はあったが、キーボードからの入力方式は殆ど進歩していない。

この間、パソコンで使用する文字コードの規格はJISコードからユニコードへと変化し、パソコンで扱える文字種が大幅に増えた。しかし、それらの多くはコード表から選んで入力する方式か かな漢字変換を利用して入力する方式でしか使えなかった。

グローバル化

ユニコードの出現によって、日本語の記法もJISコードの範囲に限られていた 従来の規範からユニコードで表現出来る範囲まで拡大出来る。

そうすると、日本の文化に多大な影響を与えてきた諸言語も簡単に入力出来る仕組みがあれば便利だ。

従来は、英語以外の外国語を正しく入力しようとすると、従来の日本語入力では扱えなかったアクセント記号付きのアルファベットや特殊文字(例えば、仏語のセディーユ ç 独語のエスツェット ß スペイン語のエニェ ñ 等)はコード表からコピペするしか無かった。

だが、文化・芸術に多大な影響を与えている これら英語以外の言語も(代用の文字ではなく)正しく表現出来てこそ英語一辺倒ではない本当のグローバル化だと思う。

和文の記号を積極的に利用

従来からパソコンの日本語入力でキーボードに刻印されている欧文の記号は簡単に入力出来たが、和文の記号となると 、 。 ・ 「 」 ー 以外の入力は やはりコード表からのコピペや かな漢字変換の候補から選択するしかなかった。

Google日本語入力では、上記の他に z[ や z] と入力すれば 『 や 』 が得られるようになり、zh 〜 zl で4方向の矢印、z, や z. で 2点リーダー や 3点リーダー が得られるようになったが、その他の記号の入力コマンドは実装されなかった。(たったこれだけでも超便利とか評価されているけど。)

ユニコードにはその他にも有用な和文の記号が存在するが、上記以外の記号まで利用した文章は極端に少ない。(最近の出版物を注意深く調べて発見した。)

その大きな原因は、現在のパソコンの日本語入力ではキーから直接入力出来る記号が上記に限定されている為だと思う。

逆に、殆ど使われていない和文の記号だからこそ、新しい使い方を提案出来るのかも知れない。
  • 例えば、ルビが使えないパソコン上の文章に読み方〔ヨミカタ〕を与える記号。
  • 例えば、〈複雑な論理構成で《修飾の順序が悪いために》異なった意味に解釈されるべき文章〉を〈《語順を入れ替える事無く》正しい意味に解釈出来るように修正する〉ための記号。

科学的記述を支援

日常的な文章にも不可欠だと思う化学式(例: H₂O)や指数表現(例: 1.23×10⁻²³)等の科学的記述も 今やユニコードで表現出来るのだから、どんどん利用したい。

そして、数学記号もまた世界共通の言語である。文章中にも数学記号を積極的に取り入れれば、日本語を日本語話者以外にも分かり易くする事が出来る。

Google日本語入力なら出来た

Windows10 標準の MS IME では無理だったが、Google日本語入力 のローマ字変換テーブルをいじっていたら、上記の新たに必要な記号の入力が全部キー入力で実現出来てしまった。
  • アクセント記号の付いた母音字がキー入力出来る。
  • ギリシャ大小文字がキー入力出来る。
  • 上付き・下付きの数字・英文字等がキー入力出来る。
  • 西欧語・ピンイン・発音記号に必要な特殊文字がキー入力出来る。
などなど。MS Word 等の高機能なワープロ機能に頼らずとも、vi エディター とか 或いは Windowsのメモ帳 を使っていてもGoogle日本語入力の機能で必要な文字修飾が可能になる。
Google日本語入力を使うその他の理由: Windows Mac linux 全てで使える(linux は Mozc というGoogle日本語入力をオープンソース化したソフトだが)のと、オープンソース化されているので もしGoogleが今後サポートしなくなったとしても末永く利用可能だろう との判断。機能の拡張の要望にGoogleが応えてくれなくても自ら変更したカスタマイズバージョンを作る事も可能。
Google日本語入力の潜在能力: 単なるローマ字テーブルと思ってはいけない。[現在の状態] + [キー入力] → [出力] + [次の状態を定義] という形は状態遷移図そのものと言える。つまり、文字コードの出力に限定されるとは言え、プログラミング環境なのである。アルファベットから「かな」に変換するという機能を遥かに超える事をアイデア次第で実現できるのだ。

記号の入力コマンドをカスタムキーボードに合わせる

Google日本語入力を使った各国語の入力は、あくまでも日本語の文章の中に少数の単語を(アクセント記号も含めて正確に)記述する為に考えた。

その各国語の文章を大量に入力するには、Google日本語ではなくて 各国語キーボードに切り替えて入力する方が良いと思っていた。だが、それもキー配置が異なっていたりするので、使いこなすのは大変である。

しかし、MSKLC (Microsoft Keyboard Layout Creator) というソフトを利用して ローマ字テーブルと同じキー定義で記号が出せるカスタムキーボードを作る事が可能だと知った。これを使えば各国語の入力も自在に出来る。

ただ、MSKLC  では、2つのキー入力の組み合わせ迄しか定義出来ない。Google日本語入力のローマ字テーブルのように多数のキーの組み合わせも定義出来るようになっていない。だから、ローマ字テーブルの定義の方をカスタムキーボードに合わせることにした。
カスタムキーボードとして 発音記号キーボード、ラテン文字キーボード を作った。ギリシャ語はWindowsの現代ギリシャ語キーボードに合わせてある。

変換キーにSpaceは使わない

日本語の読点に関する正書法は存在せず、使い方に関して学校でも教育されず、現状では「、」は各自が好き勝手に使っている。
公的には、1946年3月に当時の文部省国語調査室で作成した「くぎり符号の使ひ方(案)」があるのみである。その中で、
◦「、」は、文の中で、ことばの切れ続きを明らかにしないと、誤解される恐れのあるところに用いる。
◦対等の関係で並ぶ同じ種類の語句の間に用いる。
の2つの用法のみが挙げられている。上記の〔…と、誤解…〕の部分の読点は修飾語と被修飾語の間をぶった斬るもので論理的には絶対に使ってはならないものである。
しかし、欧米語の標準では、「,」の使い方に関しては列挙論理的な区切りにのみ用いるルールがあり、私は日本語でもその使い方に習って「、」を使うべきだと思っている。

しかし、日本語ではそれらに加えて、ひらがなが、つづくと、みにくいという、りゆうで、使っている人が多くて、文章の論理的な繋がりが分からないという問題がある。これを解消するには、にほんごでも わかちがきを どうにゅう すれば かいけつする。

しかし、日本語変換では一般に変換キーに Space を使っている為に、Spece の入力が不便になっていて、分かち書きすることが面倒である。そこで、変換キーには Space を使わないようにすべきだ。そういうキー設定も実現出来た。
  • Space で 半角Space
  • Shift + Space で 全角Space
の入力が可能になった。2種類のSpaceを使い分ける事で日本語の記述の自由度が向上した。

組版ルールを考慮

扱える文字の範囲やそれにどのようなコマンドを割り当てるのか、という事を考えていたら、和文や欧文の組版ルールを知った上で決めるべきだと分かってきた。この件について 組版ルールの知識 として文書をまとめてみた。