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こぶり会計帳簿の使い方

ここで説明する バージョンは、こぶり会計帳簿 Ver. 1.2

Googleスプレッドシートで作った複式簿記システムを「こぶり会計帳簿」と名付けた。

市販の会計ソフトはブラックボックスであり、税制が変わる度にバージョンアップが必要になるのと、印刷保存する書類が冗長と感じた点が嫌だった。事業をしないなら、取引数も僅かなので表計算ソフトでも何とかなると思って自作した。設計の仕様は下記。
  • 印刷保存する書類が最少になるようにする。
  • 取引を仕訳帳に記帳するだけで総勘定元帳と財務諸表も完成する。
  • 複合仕訳が出来るようにする。
  • 前年度のファイルをコピーし、前年度とほぼ同様の取引を日付と金額の修正で記帳出来るようにする。
  • Googleスプレッドシート上で動作可能にして、クラウドのメリットを享受する。
  • 事業を営む場合に使いそうな勘定科目も登録して、小規模事業の汎用の複式簿記システムとして役立てる。

こぶり会計帳簿(2016) (Googleスプレッドシートのファイル) ⇒ バグ発覚で2021-01-14 修正

我が自家用法人の2016年度(1月1日から12月31迄)の実際の会計帳簿をサンプルとして説明する。これは実際に動くファイルである。

このファイルのコピーを作り、入力値の変更や行の追加・削除だけで小規模な法人(持分会社)の会計帳簿として利用出来る。多少カスタマイズすれば、株式会社や個人事業用の会計帳簿にもなる。
コラム: コピーの仕方 Googleアカウントにログインしてから、自分のGoogleドライブにファイルをコピーすると、編集出来ないファイルが出来る。そのコピーを作ると、Googleスプレッドシート上で編集出来るファイルが出来る。
この複式簿記システムは、市販の会計ソフトのように親切では無いので複式簿記と表計算ソフトについては自分で勉強して理解していないと使いこなせない。しかし、冗長さが無いので分かっている人にとっては非常に使い易いシステムである。

印刷保存について

会社法 第617条 第3項 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。…とあるが、国税関係帳簿については、「電磁的記録等による保存等」にしようと思ったら、税務署に対して承認申請が必要になる。承認申請は、システムは必要な情報が取り出せる、改竄を防止出来るなどの要件などを満たし、システムの説明書も用意するなど、手続きが大変なので計算書類は印刷保存する。

これを減らそうと思えば、一行の高さを小さくするのが良い。それには、一行の長さを長くすることだ。用紙の幅が一行の長さになるので、一行が長ければそれに反比例して行の高さが小さくなる。その為に摘要欄を長く取ってみたり、仕訳帳に品番、出庫数、入庫数の欄を設けたりしてみた。

シート構成

5枚のシートで一つのファイルにしている。ファイルは年度毎に別のファイルとする。
  1. 仕訳 又は 元帳 … 全ての取引はこのシートを通じて行う。
  2. 集計 … 勘定科目を登録する。勘定科目の残高を表示する。
  3. 諸表 … 損益計算書、貸借対照表、社員資本等変動計算書、個別注記表。
  4. 在庫 … 商品を登録する。期首残数、期末残数、期末単価を入力する。入庫数、出庫数は仕訳シートから抽出される。
  5. 説明 … 使い方を説明する。2行目にこぶり会計帳簿のバージョン表示
各シート中の入力出来るセルは白色である。色の付いたセルに入力してはならない。そして、淡黄色のセルを含む行は仕訳の取引数や勘定科目の設定数に応じて増減させる。

減らす場合は行の削除、増やす場合には淡黄色のセルのある行を指定して、行を挿入し、同一シート中の淡黄色のセルのある行(どれでもOK)をコピーすれば良い。
行のコピーが正しく出来たか確認する方法: 行をコピーして、ちゃんと出来ているように見えても正しくコピーされて無いことがあった。(その当時のGoogleスプレッドシートのバグだったと思う。) 
そこで、諸表シートのA1セルに1を書き込むと、エラーが表示出来るセル(セルが赤くなる)は全て強制的にエラーが表示されるようにした。これが赤くなれば、その行は正しくコピーされていると言える。
自由にカスタマイズ出来る反面、ファイルには何の保護もない(保護すると行を増やす事さえ出来ないから)。その為に、何かを間違えてシステムを壊す恐れがある。

しかし、強力なエラー検知機能を組み込んだので、問題を起こせばすぐに問題箇所を特定し解決出来る(或いはUndoでエラーを起こす前に戻せる)ようにした。説明シートにエラー表示について詳しい説明を書いた。

仕訳帳 又は 総勘定元帳

仕訳シートは仕訳帳でもあり、総勘定元帳でもある。
総勘定元帳のpdfでは、仕訳シートを科目IDでソートし、シート名を「元帳」と変更してから
ファイル → 形式を指定してダウンロード → PDFドキュメント
行見出し、タイトル、シート名を含める のオプション指定、「縦」のレイアウトとして、pdfファイルを得た。

科目IDでソートして行を並び替えれば仕訳帳が総勘定元帳に変身する。マクロを使わずに表計算ソフトで複式簿記システムを実現した要のアイデアだ。
コラム: 仕訳帳と総勘定元帳の定義。法人税法施行規則によれば、 
第55条 青色申告法人は、仕訳帳には、取引の発生順に、取引の年月日、内容、勘定科目及び金額を記載しなければならない。 
第2項 青色申告法人は、総勘定元帳には、その勘定ごとに記載の年月日、相手方勘定科目及び金額を記載しなければならない。 
とある。これを満たせば、簿記の教科書にあるような形でなくても仕訳帳と総勘定元帳として認められるはずである。仕訳帳を勘定科目でソートしただけでも総勘定元帳の要件は満たせる。
これを実現する為に、1行には一つの勘定科目しか入力出来ない。つまり、単純仕訳では借方科目で1行、貸方科目で1行の2行がペアとなって一つの取引を表す。そして、このシステムでは複合仕訳が可能だ。一つの取引を3行以上で表すだけの話だ。

それから、青色申告法人の帳簿に必要な要件を満たすには、少なくとも一行に
  • 取引の年月日
  • 勘定科目
  • 金額
  • 内容
  • 相手方勘定科目
が表示出来るようにすれば良いが、総勘定元帳は科目残高も表示するのが一般的なので、そのようにしてみる。

一つの取引を示す行の範囲は同じ日付かどうかで判断する。同じ日付で複数の取引がある場合には、同一の取引の行について取引番号の欄に同じ数字を入れる。(数字は1から99迄、但し小数も使えるので取引数に制限は無い…が取引数が多い場合はこの複式簿記システムはお薦めしない。)
余談: 総勘定元帳から仕訳帳に戻す時には、まず取引でソートしてから日付でソートする。
単純仕訳しか出来ないシステムでも複合仕訳を分解すれば利用出来るという意見もあるが、それで貯金の入出金額が分解される事になるなら貯金通帳との照合もやり難くなる。実際に取引の殆どが複合仕訳であり、複合仕訳は必須の機能だと言える。

科目残高の欄を設けた関係で、仕訳入力時点で科目残高も表示される事になったが、これは非常に便利だ。銀行口座の科目残高が預金通帳の残高と一致するか確認しながら仕訳することで間違いを完全に防ぐ事が出来る。
コラム: 科目残高の計算は、スプレッドシートの行の一番上からその行までのその科目の貸方金額と借方金額を積算しているに過ぎない。従って、行は日付の順、同一の日付では取引の順に上から並んでいないと正しい残高は表示されない。(行の順番を正しくするには取引、日付の順番でソートする。)
尚、科目残高はその科目の性質に応じて借方か貸方のどちらかに固定してある。
  • 資産 に関する勘定科目 → 借方
  • 負債 に関する勘定科目 → 貸方
  • 資本 に関する勘定科目 → 貸方
  • 収益 に関する勘定科目 → 貸方
  • 費用 に関する勘定科目 → 借方
もし、その勘定科目の残高がマイナスになっても借方と貸方は決めてある方に固定のまま値をマイナスで表示する。

例えば、当期純利益は費用だから借方になる。これが赤字だからといって貸方でプラスの表示にはしないで、借方のままマイナスの値で表示する。
コラム: 当期純利益は何故費用なのか。儲けた金額を当期純利益という費用で帳消しにして損益勘定の借方と貸方を一致させ、その費用でその他利益剰余金という資本を増やして資産勘定の借方と貸方も一致させる為。
また、借方と貸方の金額が一致しているかを取引毎にチェックしていて、不一致の取引にはセルを赤色にする事で何処に問題があるか一目で分かる様にしている。この機能は、前年度のファイルをコピーして日付と金額を当年度の取引に合わせる我が社の経理のやり方では特に有用だ。

内容欄について

サンプルでは「前期繰越」と「開始仕訳」と「決算整理仕訳」しか書いてないが、他の取引でも必要に応じて任意の文字が記入出来る。しかし、勘定科目を子科目まで適切に設定すれば説明の必要性は少ないものと考えている。

「前期繰越」の記入には意味があり、(1)相手科目の表示が 前期繰越 になる、(2)諸表シート中の社員資本等変動計算書に於ける 資本金 と その他利益剰余金 の当期首の値になる、為に必要になる。但し、「前期繰越」はN1セルに書いてある文字列の事で、このセルの文字列を好みに合わせて変更する事も出来る。

「開始仕訳」と「決算整理仕訳」は書いても書かなくても問題ない。

集計シートの目的

任意の勘定科目を登録する。勘定科目には、個別の資産、個別の仕入先、個別の掛売り先、などの子科目も設定出来る。

そして、仕訳帳の全取引の借方金額と貸方金額を勘定科目別に積算して表示すると同時に各勘定科目の残高も表示する。簿記では合計残高試算表と呼ばれている。

但し、仕訳帳と同様に 残高は負債・資本・収益に属する勘定科目では貸方、それ以外は借方で表示する。

親子残高は、勘定科目に枝番を設けた場合に、その勘定科目全体の残高を知りたいので設けた。親子残高には親科目と全部の子科目の値が合計されて表示される。

尚、枝番を持たない勘定科目の残高も親子残高に表示する。そして、項目もまた一つの勘定科目でもあるから、やはり親子残高に表示する。

項目残高は、勘定科目の残高を項目別に集計し表示する。項目は、会社計算規則で損益計算書と貸借対照表に要求されている区分して表示する項目に合わせた。

親子残高と項目残高は借方・貸方で欄を分けずに一つの欄で済ませている。それらの借方・貸方の区分は残高と同じなので、同じ勘定科目の行の借方残高に数字があれば借方、貸方残高に数字があれば貸方だと判断出来る。

 勘定科目の設定

勘定科目には項目と親科目の科目IDを入力する欄が設けられている。全ての勘定科目は項目か親科目に属していて、項目それ自身の場合を除き、項目か親科目のどちらかの科目IDを必ず入力しなければならない。

項目は、損益計算書と貸借対照表の項目に一致していて、この集計シートで合計した残高が示される。(子科目の残高は親科目を通じて項目の残高に反映。)

例えば、普通預金は口座毎に子科目を定義しておくことで子科目の残高とその口座の預金通帳の残高を一致させる事が出来る。総勘定元帳の普通預金の子科目の数字と預金通帳の数字が完全に一致するのを目の当たりにした時は、当たり前のはずだが感動した。

又、買掛金や売掛金も得意先毎に子科目を定義していれば、総勘定元帳で買掛帳売掛帳の役目も兼ねることが出来る。

更に、資産がある場合には、資産毎に子科目を定義すれば、このシートが資産管理台帳の役目も果たす。

そして、複数の役員がいる前提で、役員報酬等にも個人別の子科目を設けている。この内、社保預り金では、各役員から預かる場面では子科目で、精算時(社会保険事務所へ口座引き落とし)の場面では親科目で取引している為に、毎月の残高は精算出来ず、子科目の残高は毎月増加、親科目の残高は毎月減少(マイナスの値が大きく)する。

しかし、こうする事で、社会保険料の口座引き落とし時には社保預り金の複数の子科目を使って複合仕訳で処理しなくても済み、各役員が年間で支払った社会保険料を子科目の期末残高で表す事が出来る。勿論、本当の社保預り金の残高は、親科目と子科目の合計残高であり、親科目である社保預り金の親子残高という欄に表示されている。

新たな勘定科目や子科目を登録する場合、挿入する行の位置で科目残高が借方か貸方かを決めているので、登録しようとする勘定科目が属する項目内に行を挿入する事。

消費税について

売り上げ1,000万円以下は免税業者になって、消費税は税込みの経理しか認められていない。それを超え、売り上げ5,000万円以下で簡易課税制度を選んだ場合にも税込みの経理の方が遥かにやり易い。

こぶり会計帳簿は取引数が非常に少ない法人を想定しているので、売り上げが5,000万円を超えるような場合は本格的な経理システムを導入すべきと考える。そして、主に情報やサービスを売るビジネスだと仕入れは少ないから、簡易課税制度を選択する方が有利である。そういう理由で、こぶり会計帳簿では税込みの経理で、課税業者になった場合でも簡易課税制度を想定している。

勘定科目の消費税欄に第何種という文字を入力すれば、集計シートの最後の行には、売上げの事業区分別の集計値が出せる。

「消費税」の欄に入れた文字と「簡易課税制度の区分」の行に入れた文字が一致する時、消費税欄 区分別合計には 「消費税」の欄にその文字が入っている勘定科目の貸方残高の合計が表示される。 (売上という勘定科目が貸方の科目なのでそうするが、借方の科目でも表示がマイナスになるだけで利用出来る。)

ここで、「第*種」という文字列の * はワイルドカードと呼ばれ、任意の 0文字以上の文字列にマッチする。従って、「第種」も「第999種」も合計の対象になる。

財務諸表

諸表シートには、会社計算規則が定める、決算に必要な(必要最低限の項目が表示される)書類が作成される。数字は仕訳シートへの入力だけで表示されるように関数が定義されているので、基本的にはこのシートは参照するのと印刷保存するだけで良い。

損益計算書と貸借対照表の科目の内訳は集計シート上にある事にして省いた。(そうしないと、科目の定義と同時に諸表シートも編集することになる。)

個別注記表の記載項目については、会社計算規則 第97条ー第116条に規定があり、その規定を守りつつ、持分会社として最低限の記載項目について記述した。この記述は状況に応じて変更する必要がある。

在庫管理

在庫シートは、扱う商品の管理をする。商品IDと商品名と定価のリストでもある。
  • 仕入の仕訳で商品IDと入庫数も入力。
  • 売上の仕訳で商品IDと出庫数も入力。
情報や役務の提供のような在庫を持たない事業をするような場合でも利用価値がある。(入庫数がゼロで、出庫数は売れただけ増えるから在庫数はマイナスになるが。)

そして、役務の提供でも、定価(1時間当たり1万円とか)を作っておくべきで、それが値段交渉の材料になり得ると思う。(我が社は事業を営んでいないので、このシートを使ったことは無いが。)

在庫シートは、商品有高帳というものに似ているが、入庫時と出庫時に於ける商品単価は記録しない。これは、棚卸資産の評価方法で最終仕入原価法というものを採用すれば、期中の商品単価を記録する意味がないからである。

最終仕入原価法は簡便というだけでなく、棚卸資産を時価で評価出来るし、税法では棚卸資産の評価方法を届け出なかった場合には最終仕入原価法で評価する事になっている。

在庫シートは計算書類として必須のものでは無いが、売上原価の計算に必要な商品の期末棚卸高を計算する目的で作ってみた。
  • その期末棚卸高の金額を、決算整理仕訳で売上原価から繰越商品へ振り替える。
  • 次期の開始仕訳で繰越商品から売上原価へ振り替える。
事業を営まなければ売上原価も繰越商品も 0 だが、仕訳サンプルでは上記取引を入れておいた。

こぶり会計帳簿の使い方

前年度のこぶり会計帳簿のファイルをコピーして、当期のファイルとする。業務が毎年ほぼ同じなら、前年度と日付と金額だけ異なる取引が殆どを占めているはずである。そこで、
  1. ファイル名を当期に合わせて変更。
  2. 仕訳シートの年-月-日の「年」を編集機能の検索と置換で当期に合わせる。(注1)
  3. 取引の月日を実際の取引の月日に合わせる。(注2)
  4. 不要な取引の行は削除する。(新たに必要になる取引に転用してもよい。)
  5. ここで、「取引」、「年-月-日」の順にソートする。
  6. 前期繰越の金額は、前期の資産・負債・資本勘定残高に合わせる。(注3)
  7. 期首の取引から順番に、預金通帳の残高と照合しながら金額を修正していく。
  8. 途中で新たに必要になる取引があれば、必要な行数を挿入する。
  9. 挿入した部分は他の行をコピーして、必要な箇所を修正する。
  10. 決算整理仕訳の最後に(注4)、諸表シートの損益計算書に表示された当期純利益を仕訳でその他利益剰余金に振り替えて諸表シートのエラー表示を消す。(自動的に計算されるので、損益勘定、残高勘定は使わない)
という手順で決算を終える。
裏技: 取引毎の借方金額と貸方金額が一致してないと、セルを赤くしてエラーを知らせると同時に、不足側のタイトルが不足金額に変化する。複合仕訳で、残りの科目の金額欄を一度クリアすれば、入力すべき額がタイトルに示されているので、電卓の代わりになる。
(注1) 前年度の年-月-日に2月29日が含まれている場合は、「年」の数字を置換する前に日付を修正しておく。(そうしないと、あり得ない日付としてエラーになる)…サンプルファイルには2月29日の取引が含まれている。

(注2) 前期繰越は期首日、決算整理仕訳は期末日とする。

(注3) 準大陸式決算の方法と同じ。前期残高のある全ての資産・負債・資本勘定科目について仕訳する。但し、社保・源泉・特別預り金に関しては(親・子別々ではなく)親子残高で仕訳する。これは、これらの預り金は個人に戻される事がなく、合計金額が社会保険事務所、税務署、市役所に対して支払われるからである。

(注4) 前年度ファイルのコピーで 当期純利益をその他利益剰余金に振り替える仕訳 に前年度の値が入っていると損益計算書の当期純利益の欄に当年度の当期純利益が正しく表示されないので、それらの数字は一旦クリアする。その後、損益計算書の当期純利益の欄を見て、正しい値を入力する。

サンプルの取引内容について

毎年、日付と金額が異なるだけの同じ取引になるようにしている。しかし、この年の会計帳簿には以下の点で例年と異なる。(だからこそ、サンプルとして価値が高い。)
  • 2月29日に社会保険料が引き落とされている。
  • 10月20日の役員報酬の支払いが特殊。
2月29日に取引があった場合、その会計帳簿ファイルのコピーを翌年のファイルの元にしようとして、検索と置換で日付の年を2016から2017へ一気に変換するとあり得ない日付としてエラーを起こす。

先に日付を2月29日以外に変更してから変換しなければならないのだが、こんな目に遭うのは 2017年度の確定申告をしようと重い腰を上げた、閏年の翌々年(2018年)の話。

10月20日の取引は、役員報酬を909円多く支払った時の処理。間違えた原因は、標準報酬月額のランクが改訂され、新しい社会保険料(909円下がる)になる月より1ヶ月早く新しい額で振り込んだ為。

その909円は役員からの借入金の一部を同時に返還した事にした。

年月日借方金額貸方金額適用
2016-10-2054,200役員報酬
2016-10-2042,821普通預金
2016-10-2012,288社保預り金
2016-10-20909役員からの借入金

そうすると、借方と貸方ともに2つの勘定科目の多対多の複合仕訳となって、相手科目は全て諸口になっている点が興味深い。