変更したのは、妻からの nn が「ん」にならない代物など使えない、との一言から。自分の理想で変更すると一般の人には使い難いらしい。だから、普通に使う限りGoogle日本語入力のデフォルトの設定と同じ変換結果になるように変更することにした。
それは、自分一人だけで満足しているよりも大勢の人に使って貰えれば、カナ書きについても良い方向に変化していくかも知れないと思ったから。
例えば、/ti/ の表現に「てぃ」が普及しているけど、/si/ の表現は未だに「し」のままで、このままでは sit と shit の区別が付かない。それは rice と lice の取り違え以上に危険なのだ。
未だ普及しないのは、内閣告示の「外来語の表記」というガイドラインに「てぃ」はあるけど、「し」に代わる表現の記載が無いのが原因だと私は思っている。
一部の人は、その表現に「すぃ」を使っているけど、私は「せぃ」を推したい。例えば、「すぃーと」と書いて、sweet なのか seat なのか、「すぃ」なら分からないけど、「せぃ」ならば、「すぃーと」と「せぃーと」に書けるから区別は付く。
/ti/ が「てぃ」という表現になったのは、単に「つ」が /t/ とは異なる音価なので使えないという理由よりも「え」の段と「ぃ」の親和性によるものだと思っている。
そして「すぃ」が一般化する前に、このローマ字変換テーブルが普及していれば「せぃ」の表現を定着させる事が出来るかも知れないと期待する。
カナ書きに適する
さて、Google日本語入力のデフォルトの設定では、「てぃ」の入力方法は thi と t'i の2通りが提供されているが、「すぃ」や「せぃ」の入力方法は提供されず、「す」や「せ」の後に小書きの「ぃ」を自分で加えるしか無い。
その点、私のローマ字変換では、「てぃ」は ty 「すぃ」は swi 「せぃ」は sy と綴るようにしている。英語に於いては、y や w が i や u の代わりを務める場合があるからこの綴りは覚えやすいし、必要なキーの数も少ない。
その他、カナ書きに適する様々な仕掛けを加えたのだが、それでも普通の日本語を入力する使い勝手が同じなら一般の人には魅力が無いだろう。だから、Ver.2 では普通の日本語でも使いやすい点を増やした。
普通の日本語でも使い易い点
まずは、「ん」の入力方法を改善する。今迄は n を一回押すだけで「ん」が入力出来るようにして満足していたけど、その後に母音や「や」行のカナが来る場合に、余分に ' を入れる必要があって面倒だ。やはり、「ん」専用のキーが欲しいので l を割り当てる。 l は押しやすい位置にあり、頻度の高い「ん」の入力には最適だ。l を /r/ と /l/ の書き分けに利用出来なくなるのは残念だが、rx を /l/ の入力キーとして使うことにする。
また、c を「ちゃ」行の入力に割り当てる。「じゃ」行の入力が j なのに、「ちゃ」行の入力には ch とキーの数が増えるのが嫌だという理由だ。ci や ce はイタリア語の読みと同じなので不自然では無いだろう。