ウクレレを習い始めたからか、音楽関連の本を借りる事も多い。そこで見つけた本が、
「音楽で一生食っていきたい人のための本」 石田ごうき著 リットーミュージックだった。音楽の本というよりは音楽関連の仕事で如何に自活するかという経営の本なのだが、なかなか良いことが書いてあった。
従業員向きの人材を育てる学校教育
プロの音楽家と言えば、自営業である。勿論、オーケストラの団員とか音楽教師とか従業員として音楽で食っていく道もあるにはあるが、狭き門である。しかし、演奏家やレッスンプロとして自営で生活出来るだけの収入を得る事もやはり至難の業である。
その自営に必要な知識とは、目標達成能力に関する知識だとこの本は説く。即ち、適切に目標を定め、それを効率的に実現することなのだ。そして、学校教育は従業員向きの人材を育てる教育で、自営に必要な知識は習わないから自分で学習するしか無いと言う。
成功の定義
何故、学校教育では自営に必要な知識を学ばないのか。上からの指示通りに動く人間さえ増やせば良いと思っているのだろうか。或いは上の指示が正しいのか疑うような人間を作ってはならないのだろうか。
しかし、「自ら目標を定めそれを実行する」 というのは何も自営とか従業員とかの話だけでなく、各個人の人生に於いても極めて重要な話なのだった。そして、この本の内容は仕事の話から次第に人生の目的とは何か、という色彩を帯びていく。それは次の言葉に凝縮される。
成功とは、他者の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標を、原則に沿って、ひとつひとつ達成していく過程である。この本の著者も他の本を参考にして 成功をこのように定義したのだと言うが、私はとても素晴らしい定義だと思った。大きな目標を達成した瞬間だけが成功なのでは無く、正しい道程を歩んでいること自体が成功なのだ。
つまり、たとえ上手く行かなくても(その方法では無理と判明したのだから)やはり成功だし、逆に、不正な手段で目標を達成したとしても それは成功では無い。森友学園よ、思い知れ。