「エイ」と「エー」、「オウ」と「オー」の違いは記憶されない
私の考えでは、日本語の母音には、「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」 の5種類以外にも、「エー」 と 「オー」 のような複合母音が日本語の中には存在している。しかし、伝統的には長音符(棒引きの記号)は外来語にしか用いないルールなので、「エー」 と 「オー」 の表記方法は 「エイ」 と 「オウ」 だった。つまり、表記を変えたとしても同じ音を指し示す。だから、この音を書き分けたとしても その違いは記憶されない。
英語のカナ表記
そうすると、今迄は英語の発音で 「異なる音には異なるカナの表記を割り当てる」 という方針だったが、表記が異なっていても どちらだったのか記憶されて無ければ困ると思った。
例えば、英語の発音で coat [koʊt] と court [kɔːt] は、区別されるべき音である。これは 「コウト」 と 「コート」 に書き分ける事が出来るけど、音の記憶としてはどっちがどっちか区別して覚えていない。
一方、「エー」 という英語の発音は無い事になっている。だから、現在使われている英語のカナ表記で 「エイ」 と書くべき所が軒並み 「エー」 となっていても、幸い問題にならない。「ケーキ」→「ケイキ」、「スケート」→「スケイト」と脳内で変換出来るから。
以前、使わない 「エー」 という表現を [əː] という発音に割り当てようと考えていて、しかし、 skirt [skəːt] を 「スケート」 と書くのはどうかと思いとどまった事がある。しかし、これを「スカート」と書くと [ɑː] という発音とカナ表記上の区別が付かない。
その結果、[əː] という発音に新しいカナ表記を考える事にしたのだった。それと同じく、今回は [ɔː] という発音に新しいカナ表記を考える。
ローマ字テーブルの改定
結論: [əː] には 「アェ」、[ɔː] には 「アォ」 を割り当てる事にする。その結果、[oʊ] には 「オウ」でも「オー」でも使え、[ei] には 「エイ」でも「エー」でも使える事とする。
例: skirt は 「スカェト」、court は 「カォト」 と書く。
この結論によって、今迄作ってきたローマ字変換テーブルなどの情報を変更する。そして、ヘルプコマンドを新たに作ることを思い付いた。ローマ字で \h と打てば、このローマ字変換を説明するヘルプページのアドレス( blog.cobli.jp/p/help.html )に変換されるようにするのだ。Webブラウザのアドレスの処でそうすれば、ヘルプページに何時でも飛べる。