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NHK BSプレミアム 刑事モース

最近見始めたのが、NHK BSプレミアムで放映中の「刑事モース」というドラマ。不器用なモースが推理力と博識を活かして難事件を解決していく話だ。

主人公はオックスフォード大学中退だが、奨学生だった経歴の持ち主。それだけで優秀な頭脳の持ち主である証明と共に不器用であり、貧しい平民階級出身という事が分かる。英国社会に階層が厳然として存在する事を意識させられる。

欧米エリートの考えている教養

このドラマを見ていると、この世界を動かしている欧米エリートの考えている事が見えてくる。

今回の事件ではオペラが謎解きの鍵だったし、前回は被害者の残した数字が元素番号で、その元素名が犯人の名前を示していたという落ちで、彼らの考えている教養の片鱗を見ている気がする。

単に博識では駄目で、その知識を活かしてこそ本物の教養なのだ。

そう言えば、Dlife で放映中の「スーツ」というドラマでもオペラ好きのルイスというキャラが登場する。こちらはハーバード大出身者で固めた弁護士事務所が舞台で、下町育ちのハービィーが格好いい役でルイスが何時もコケにされているのは、オペラの知識が仕事の役に立ってないからかも…とも思える。

そして、英国の弁護士事務所との合併話があって英国の事務所から派遣された弁護士とそのルイスの仲が悪かったのにオペラと猫が好きと分かってから急に仲良くなったのが面白かった。これも、米国人が英国人をどう見ているのかを暗示しているのかも、と思った。

モース・モーティス・女性

所で、このドラマの話を持ち出したのにはもう一つ理由がある。「刑事モース」というタイトルで「モース・モーティス・女性」の事を思い出したからだ。

それは、私がラテン語の勉強を始めるきっかけとなった「ラテン語のはなし」という本の中で書かれていた。その本を見返して原作者がコリン・デクスターだと確認したから、やっぱりその「モース」だ。

主人公の名前 Morse に引っ掛けて「死」を意味するラテン語の名詞 mors で検死官が呼びかけた、とあって、モースの後に「モーティス・女性」という呼びかけが何故続くのかを説明するきっかけになっている。

私は第3変化名詞の事をこれで知ったのだが、「刑事モース」の読者は当然ラテン語を知っている前提で作者はこの推理小説を書いているのである。

現代の教養

知識があれば物事をより深く理解し楽しめる、という事だが知識を得るには時間がかかる。しかし、現代であれば知識が無くても「検索」という武器が使いこなせればモース並みの推理も可能だろう。

そして、語学についてもまた同じ事が言えるのではないかと思う。人前で流暢に喋る見栄や試験の為という事が無ければ、単語や語彙をひたすら暗記する意味はもう無くなった。情報機器を駆使出来る現代では、言語の仕組みや論理を押さえる方が重要だろう。

学校の語学教育もそうなって欲しいものだと妄想する。