恐らく、今年の日本の美術展で一番人気と思われ、東京に続き、大阪の国立国際美術館にやって来て、7月18日から始まった。夏休み中は避けた方が良いか、とも思ったが7月末まで有効の電車の切符があったので早目に行くことにした。きっと段々と人気が出てきて会期の最後は大変な混みようになるはずだよ、などと言いながら。
電車の切符は10時から使えるのでそれに合わせて家を出たが、11時には会場に着いた。妻は大人料金の1,500円だが、私は放送大学の学生で、放送大学は国立美術館のキャンパスメンバーズに加入している為に、学生の団体料金が適用されて1,000円だった。
このバベルの塔の展覧会については、日経おとなのOFF(1月号)という雑誌で知ったし、事前にBS日テレ放送でやっている「ぶらぶら美術・博物館」という番組をたまたま見て強い興味を持っていた。
作品に関する知識
近年、美術館や博物館に行くことが増えてきた。それは、楽しむ為には、その作品に関する知識が必要だと段々分かって来たからだろうか。会場では年配の人が大変多いが、恐らくそういう事が分かっている先輩達であろう。
そう言えば、古い西洋の作品には時々ラテン語が書いてある。私はまだまだ美術鑑賞の初心者だが、ラテン語を勉強した事があるので、そういう作品に出会うと普通の人よりも楽しめる。
そう言えば、古い西洋の作品には時々ラテン語が書いてある。私はまだまだ美術鑑賞の初心者だが、ラテン語を勉強した事があるので、そういう作品に出会うと普通の人よりも楽しめる。
自分の好みも分かってきた。技巧に優れ、美しさを感じたり、アイデアに感心したりする作品。作者で言うと葛飾北斎や伊藤若冲など日本の画家が多い。現代アートでも細かなイラストは好きだったりする。
情報量の多さが魅力
今回の展覧会はネーデルラントの作家で油絵だ。今迄、油絵は絵の具をボッテリと盛り付けるだけの作品ばかりだと思っていた。しかし、これほど細かな描写の絵は(油絵以外を含めても)初めて見た。絵には1,400人も描かれていると言う。展示はブリューゲルに繋がる色んな画家の絵を通じて段々とバベルの塔への近づいていく。期待感が高まって、とうとう最後に作品とのご対面となる。
そして、その後に東京芸大チーム制作の3倍(面積では9倍)に拡大したバベルの塔のレプリカを見る。それで見ても十分に細かい。それから、絵を3Dにした映像を堪能する。会場を後にするとバベルの塔を切り開いて内部を見せた絵が置いてある。
それ程、この絵に盛り込まれた情報量は多いし、その情報を読み解く楽しみも増えるのである。