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はれのひ事件で思うこと

先日、「はれのひ」という貸衣装屋の社長が記者会見を開いた。海外逃亡か自殺でもするかも、と思っていたが能天気なオジサンだった。

一番悪いのは社長、一番可哀想なのは成人式に出られなかった娘さん達、といった報道のされ方だろうが、記者会見の放映を見て一番悪いのは、こんないい加減な男に融資した連中ではないか、と思った。

そして、一番可哀想なのは給料を貰えなかったその会社の従業員達である。自分達の働きが結果的に被害者を拡大させてしまったという負い目も含めて。

晴れ着を着ないと成人式には出られないのか

成人式の朝、晴れ着を着るのは無理と知り、スーツやドレスを着て成人式に出席した娘さん達もいる。それこそ成人として相応しい行動だと感心する。その一方で、為す術もなく泣いて帰った娘さん達もいる。

それは、成人式に出られなかったのではなく、出なかったのだ。自分の意思で。晴れ着を着なければ成人式には出る価値がないから。成人式という集まりに出てキレイな私を見せられないなら行く意味が無いから。

しかし、貸衣装や着付けの需要が一年の特定の日に集中するなら値段も跳ね上がって当然だが、たったそれだけの事に何十万円も使うのが良い事なのか。
成人式の当日ではない日に晴れ着の写真を撮る(前撮り)だけなら、費用はかなり少なくて済む。ウチの娘もそうした。

前金の商売と投資詐欺の構図が重なる

経営の才覚のないあんな男にビジネスが始められたのは、やはり誰かがまとまったお金を融資したからだろう。人を見る目の無い事が、後で多くの人に迷惑をかけてしまった。

しかし、一旦動き出せば、前金ビジネスにはどんどんお金が入ってくる。事業を拡大し続ける限り、事業が順調に見える。それが被害を拡大させた原因だろう。それは多額の配当金を約束してお金を集める投資詐欺の構図と全く同じに見える。

被害に遭って得るもの

そもそも成人式には出ない、晴れ着の余裕なんてないから、という娘さん達も数多くいるし、親にそんなお金を出して貰いたくない、と考える娘さん達も数多くいるのである。被害に遭った娘さん達は、そういう意味では恵まれていたのだ。

確かに、決して少なくないお金が無駄になったのだが、それでも老後資金を根こそぎ奪われた人達に比べればずっとマシだ。元々見栄の為のお金である。それが無くなっても生活になんらの支障もない。痛い経験もこれからの人生できっと役に立つ…と、前向きに捉えればそれこそ大人への通過儀礼である。