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2018年1月8日月曜日

NEXTユニコーン

今朝の日経記事で、新興・中小企業面にあるNEXTユニコーンというコラムにクラウド会計ソフトの会社 freee (フリー株式会社) が紹介されていた。

日経のヨイショ記事

自分が こぶり会計帳簿 というクラウド会計ソフトを開発して無料で公開しているので、クラウド会計ソフトについてはライバル製品について色々と情報を集めている。それに付随して、freee という会社の事もネットから色々と情報が入ってくる。

そういう目で記事を読むと、「これは freee から金を貰って日経が記事を書いたのでは?」 と思える程に悪い情報が一切書いて無い。広告なら仕方がないが、記事ともなれば公平な立場で書かないと、投資家を騙す事にもつながってしまう。

今回の記事は、たまたま私がある程度知っている会社の話だったから記事が極端に偏って書かれている事が分かったけど、恐らく他の記事も似たり寄ったりだろう。日経の記事は眉に唾を付けて読むようにしよう。

財務上の懸念

では、悪い情報とは何か。この会社は毎年大幅な赤字を出していて増資しないと生きてはいられないのである。

赤字に関しては投資先行のスタートアップ企業に於いては珍しい事ではないけれど、減資を毎年繰り返して資本金を1億円に抑えている点が異常だ。(ネットで調べた情報だけど、freee自身が出している情報なので間違いないだろう。)

確かに、資本金が1億円を超えると税務上は大企業の扱いを受けるので不利であるから、資本金を1億円に留めたいのは分かる。

しかし、増資をすると、会社法により払込額の1/2以上を資本金に計上(残りの額は資本準備金)しなければならないから1億円を超えてしまう。

だからと言って、減資をすれば先に投資した投資家がバカを見る。そうさせない為には増資額を現株主に割り当てるしかないのだが、果たしてどうなっているのか?

サービスの競争力

かのアマゾンもスタートアップから毎年巨額の赤字だった。しかし、売上の伸びや競争相手がいなかった事から投資家も未来を信じる事が出来たのだろう。

しかし、翻って freee の状況を見るとどうなのか? 資本金は5億円を超えず、また非公開会社なので損益計算書の公告義務が無いためか、売上は非公表。しかし、ネットで拾った情報によると売上額は赤字額にも満たないらしい。

提供しているサービスは唯一無比と言う訳でも無いし、特許で守られている訳でも無い。(同業のマネーフォワードを特許侵害で訴えたが敗訴した。) 更に、会計ソフトの老舗もクラウド会計に進出してきた。

これもネットで拾った情報だが、公表されているユーザー数の大半が無料お試しの会員である。会計を知らなくても扱えるというのが売りだが、会計を知らないのでは申告では税理士の助けが必要だ。

一方、会計を知っている人には freee のサービスはまどろっこしいらしく、他社の方が使い勝手が良いらしい。つまり、会計を知らなくても良いというコンセプトは筋が悪いのである。

単なる会計ソフトならまだしも、クラウドサービスがもし突然停止となればユーザーの被害は甚大である。そういう事態だけは絶対に避けて欲しいと願うだけである。