以前、自転車で埋め尽くされていた、あの北京の道が今や自動車で埋め尽くされている。自動車を先進国で独占してはならない、とは思うけど世界最大の人口の中国が、そして、これから発展するであろう国々が先進国並みの自動車保有をすれば、この地球は持ちこたえる事が出来るのかとても心配になる。
自動車とは、とても非効率な乗り物だ。たった一人の移動にその何十倍もの重さの箱を使うとは。それに、高齢になると運転するのも困難になる。公共交通機関が頼りにならない地域での自動車の必要性は分かるけど、少なくとも都市部においては贅沢品だと思う。自動車が必要ならタクシー、レンタカー、カーシェアリングなどの方法を使えば個人で保有する必要がない。
しかし、自動車を保有する利便性も認めよう。使いたい時に何の手続きも要しないで使える。緊急時には頼りになる存在である。震災の時に水を運んだり遠くまでお風呂に入りに行ったりするのにとても役に立った話は以前書いた。
それで、贅沢だけど自動車を保有することにして、その利便性を享受している。病院への送迎や雨の日の買い物などは車があると本当に助かる。そして、自動車を保有するもう一つの理由は、自分の車でなければ改造出来ないこと。
しかし、私は環境も大事にしたいから、利便性を損なわない範囲でなるべく小さい自動車にしたい。それで、自分に最も相応しい車として軽自動車を選択した。税金と保険が安いというメリットは、其れより一桁大きい駐車場代によって掻き消されるから、あくまで軽自動車のサイズを気に入っての事だ。(因みに、我がマンションの駐車場で軽自動車は我が愛車のみ。)
愛車アルトの全長 3395mm と全幅 1475mm はそれぞれ軽自動車の規格限度いっぱいと言える。規格がもっと大きかったら、恐らくそれに合わせて大きくなっていた事だろう。しかし、今の軽自動車の大きさは実は理に叶った大きさなのだ。
最近見かける「MINI」を名乗るデカイ車でなくオリジナルの「MINI」の大きさは全長 3051mm、全幅 1410mm、全高 1346mm である。これはどれをとってもアルトより小さい。更に、初代の「PANDA」の大きさは全長 3405mm、全幅 1510mm、全高 1485mm である。これはほぼアルトと同じ大きさである。これらの名車は、そのサイズを規格限度から割り出したのではなく、大き過ぎない実用性のあるサイズとして決めたはずだ。
それに、アルトにも未利用の空間が沢山あった。私は安全装備の置き場所を作って、足元も広げて、ラゲッジスペースも広げて、と色々改造したけど、メーカーにももっと頑張って貰いたい。安易にボディサイズを大きくする前にまだまだやれる事はあるはずだ。
アルトに乗っていると、車が通れる道なら必ず通れるという安心感がある。どんなに狭い駐車場でも大丈夫だし、車の大きさで周りの車の迷惑になることはない。車の対角線の長さを計算したら 3.7m だったから、道幅 4m の道路でも切り返せば方向転換が可能である。
だから、この軽自動車のサイズの車が日本だけではなく世界中に広まって、少しでも環境の負担を減らして欲しいと願うのだ。