CDラジオを外付けスピーカーに改造

これは2回目の改造になる。最初の改造では、現在は[テレビに繋いである外付けスピーカー]を繋いでいた。

テレビで音楽も聞くようにしてからCDラジオの方は使わないままになっていたが、家の中どこにでも持ち運び好きな所で聞きたくなって復活させようと思った。

オーディオ雑誌付録のスピーカーを買って持っていたけどスピーカーボックスを作るのが面倒でそのままになっていた。取り敢えず聞けるようにして、ちゃんとしたスピーカーボックスを作る気を起こさせようとの思惑もある。

改造の目玉はスピーカーを分離出来るようにすること。CDラジオとスピーカーが繫がったままだと持ち運びに不便だから。

CDラジオは確か4千円以下でスピーカーも雑誌の値段は3千円程度、だからスピーカーを分離させるのにも高いスピーカー用の端子を使わない方法を考えて見た。RCA延長ケーブルを1本購入(515円)、それを切ってCDラジオ側とスピーカー側のケーブルとして使う事にする。


CDラジオのスピーカーへの配線を外してRCA延長ケーブルのメス側端子へと繋ぐ。


ハンダ付けはいつものようにキッチンで。赤い(Red)のが右側(Right)用。RがRと記憶。


全体はこんな感じ。スピーカーボックスはスピーカーの入っていたダンボール箱の改造だけど、これでも結構良い音がする。ボーズの何万円もするCDラジオよりは良い音だと自己満足。その内にちゃんとしたボックスを作ろうとは思っている。

スピーカーの理論

RCAケーブルは信号用のケーブルで、スピーカーケーブルとして使うようなことは通常しない。それは線が細くて電気抵抗が大きいから。だから今回の改造で問題が無かったのか検証してみたい。

そもそもスピーカーとは電気信号を音に変える器具。音とは空気の振動で、電流で振動板を前後に動かして空気を振動させる。それを機械的に分析すると、錘とバネの振動系である。振動板の重さが錘で、無入力時に振動板を中立の位置に保つのがバネの役目。

しかし、そういう振動系があることで不要な振動が発生し、それが音質を悪化させる。車に例えれば、車の重さが錘でサスペンションがバネとなり、不要な振動で乗り心地が悪化する。車にはその不要な振動を抑える為にショックアブソーバーという機構がある。

スピーカーには不要な振動を抑える特別な機構は無いが、スピーカーの構造自体にその機能を有している。それを活かすか殺すかはスピーカーケーブルの電気抵抗とアンプの内部抵抗が決める。

モーターが発電機にもなるように、スピーカーの振動板も振動をすれば発電することになる。発電機に負荷をかけると回すのに要する力が増えるように、スピーカーも負荷をかければ不要な振動を妨害する力が掛かる。

最も大きな負荷はスピーカー端子の両端をショートすること。そうすると、余計な振動で生じる起電力でコイルに流れる電流が最も大きくなる。その時、コイル自体の持つ抵抗値で電流の大きさが決まる。つまり、それを不要な振動の抑制力の最大値として、コイルの抵抗以外の抵抗が増えるほど抑制力が低下する。

例えば、コイルの抵抗値と同じ大きさの外部抵抗があれば抑制力は半分になるが、1/10なら1割低下する程度と言える。それぐらいなら聞いても違いは殆ど分からないのでは無かろうか。

ダンピングファクターの話

アンプの内部抵抗を表す数値にダンピングファクターという値がある。これは基準の抵抗値(8Ωか4Ω)をアンプの内部抵抗値で割った値で、この値が大きい程 内部抵抗が小さい事を示す。現代のアンプでは100以上あって当たり前。

アンプというのは、入力電圧の増幅率倍の値が出力電圧になるように調整する装置と言える。出力端子に外部から電流(I)が流れ込んで来た時に生じる電圧(E)から、内部抵抗(R)は R=E/I と計算される。アンプが理想的に動作し、如何に外部から電流が流れ込んで来ても忠実に入力電圧の増幅率倍の値を保っているならば R=0 である。

現代のアンプはこれをフィードバック制御によって実現する。出力端子の増幅率分の一の電圧が入力電圧と一致するように出力端子に流れ込んでくる電流を吸い込んでやるのだ。

ケーブルの抵抗値見積もり

スピーカーの仕様書では、コイルの直流抵抗は5.7Ωである。音質に与えるアンプの内部抵抗はコイルの直流抵抗値からみて無視できる程小さいはずで、スピーカーケーブルの抵抗値もこのコイルの直流抵抗の1/10以下なら問題無いと考えている。

それで購入したRCAケーブルの抵抗値を調べようとしたが、ネット上にはデータが無かった。実際に測定出来れば良いのだが、低い抵抗値を正確に測定するには4端子法で測定出来る測定器が無いと無理。

そこで、ケーブルの断面積から抵抗値を見積もる事にする。RCAケーブルの構造は、細い芯線があって、その周囲をGND側の線で完全に覆っている。従って、外側の線の断面積は芯線よりも圧倒的に太いので、芯線の抵抗値のみ見積もれば十分である。

さて、その芯線は細い銅線の束で、それを4つ重ねて太さを測ると約1mmだった。そこから面積を計算すればπ*0.5*0.5/4平方mm。細い銅線の集まりで間に隙間があるから実質的にはその半分とすれば約0.1平方mmと計算出来る。ワイヤーの規格で調べると、これは約0.18Ω/m位になる。RCAケーブルは1.5mあるから、0.27Ω位と計算出来る。

外側の線とアンプの内部抵抗は無視出来る程小さいのでトータル0.27Ωとすると、コイルの直流抵抗の約1/20なので問題は無いと結論出来る。

ケーブルの長さを短くすれば更に抵抗値を下げられるけど、短いとスピーカーの配置に制約が増える。今の長さでも抵抗値が十分小さいと結論出来たから、長さはこのままにする。