このブログを検索

2015年8月14日金曜日

英語母音を変化させる R の法則

英語の母音のうんちく話の続き。

英語の母音は6種類で、それが閉音節と開音節のそれぞれの読み方を持つから12種類、それに oi が加わって13種類の発音、此処までは説明した。

しかし、それだけではない。母音の後ろに特定の子音が付くと発音が変化する。これを勝手に「英語母音を変化させる R の法則」と名付けてみた。r が付けば殆どの場合発音が変化するし、その他の子音が付いて変化する場合でもその発音は R の法則で説明する範囲に納まっているからである。

で、閉音節と開音節のそれぞれに r を付けた場合の発音とそれに対応するカナでの読み方について説明してみる。
  1. ar 閉…アー[ɑː] 、are 開…エア[eə]
  2. ir 閉…エー[əː] 、ire 開…アイア[aɪə]
  3. ur 閉…エー[əː] 、ure 開…ウア[ʊə]
  4. er 閉…エー[əː] 、ere 開…イア[ɪə]
  5. or 閉…オー[ɔː] 、ore 開…オア[ɔə]
  6. oor 閉…オー[ɔː]、our 開…アウア[aʊə]
結果全体を見渡すと、閉音節に r を付けた場合には長音(語尾に音引き記号が付く)へと変化し、開音節に r を付けた場合には語尾に曖昧母音のア[ə]が加わっている。

母音の読みは r が付く前と比べて三重母音の「アイア」と「アウア」を除き変化している。しかし、三重母音は後ろに曖昧母音の[ə]が付いただけである。このため三重母音は英語の母音の種別のカウントから外す説もある。しかし、どんな母音にでも[ə]が付けられる訳では無いから、三重母音も含めてこれが英語の母音の全てです、って言い切った方が分かりやすいはずだ。

所で、閉音節には r を、開音節には re を付けているのには訳がある。開音節とは後ろに子音が来ない音節のはずである。しかし、英語には語末に読まない e を付けるとその前の母音字は開音節の発音で読むというルールがある。

何でそうなのか、と解説している文は今迄見た事は無いけど、私の勝手な解釈はこうである。

まず、母音に挟まれた子音は後ろの音節に属するのが音節切り分けの原則である。そうすると、語尾に e が付いた場合は、例えそれが読まない字であっても母音の字だから、{母音で終わる音節}+{子音と e の音節}、に分解できる。しかし、e は読まないから最後の子音が単独で音節になることが出来ずに前の音節に引っ付く。これで、{開音節の発音+子音}の完成である。

語末の読まない e というのは仏語のルールを取り入れたものだろう。尤も、仏語の場合は語尾だけでなく、単語の途中でも音節の最後の e は読まないけど。その e を読まなければ母音が無くなってしまう場合(be、he、she、we、me、the、等)や外来語を除き、例外は無いはずである。

ou の場合に our としたのは、そもそも oure という綴りの単語が無い。それは、母音字を組み合わせた場合は開音節の扱いになるから最後に e を付ける意味がそもそも無いからであろう。

それから、oi に r を付けた場合にはどうなるのか調べたけど、oir も oire も発音が「ワア」の単語が殆どで、これはほぼ仏語読みで英語でも外来語扱いになっている。

oor の読みについて

「ウア」ではないのか? という疑問を持たれるかも知れない。しかし、例えば poor の発音から言うと、「オー」と「ウア」と両方ある。今迄説明してなかったけど、そもそも、oo の読み方は短母音の「ウ」だけでなく、長母音の「ウー」と言うのも存在する。これは u の開音節の読み方と同じである。そちらに r が付いたとすれば「ウア」になるのも当然だ。

それに、oor に r が付く前の読みは一体どっちなんだと聞かれても分かりっこないんだから、短母音だったら「オー」で長母音だったら「ウア」という事にしておけば語尾に r が付いた時の母音の変化がとても規則的になって都合がいい訳だ。

ir、ur、er の読みのカナについて

従来、girl 「ガール」、burn 「バーン」、term 「ターム」のようにカナには「アー」を当てていた。しかし、それでは car 「カー」の「アー」と区别する事が出来ない。そこで、「エー」を割り当てて見た。

従来、「エー」は「エイ」と書かれるべき発音に使われていた(例えば、ace は「エース」って発音してるけど「エイス」の方が原音に近い。)けど、それを止めれば「エー」は[əː]という発音を表すことに使えるのだ。実際の発音は「アー」や「オー」や「エー」が入り混じったような音だから、「ゲール」、「ベーン」、「テーム」でも私は違和感を感じない。

話は脱線するけど、「オウ」と書くべき発音もしばしば「オー」と書かれている。これは1991年6月28日の内閣告示第2号 外来語の表記 に書かれている、{長音は、原則として長音符号「ー」を用いて書く。} という指針があるためじゃあないのか、と思っている。「エイ」も「オウ」も複合母音であって長音じゃあないけど、例として「ゲーム」とか「オーバーコート」とか書かれているからね。

まとめ

英語の母音が6種類あるという説に基づき、英語の発音を解説してきた。今迄に登場したのはアクセントのある音節の場合で、この他にアクセントのない音節に於ける母音の発音もあるけど、それは又の機会に。

それで、6種類にそれぞれ閉音節と開音節の読みがあり、更に語尾の子音で変化し、その他に oi という変わり種がある。計算したら、6*2*2+1=25通りの発音だけど、{ ir と ur と er }及び{ or と oor }が同じ発音だから3つ引いて全部で22通りの発音があり、それら全てが区别出来るように異なるカナの発音を割り当ててみた。

その割り当て方と従来の表記法の違いは以下のようになっている。
  • [æ]は、従来「ア」と書いていたものを、「エヤ」と書くようにする。
  • [əː]は、従来「アー」と書いていたものを、「エー」と書くようにする。
  • [eɪ]は、従来「エー」と書いていたものを、「エイ」と書くようにする。
  • [oʊ]は、従来「オー」と書いていたものを、「オウ」と書くようにする。
これだけの違いで異なる英語母音には異なるカナの組み合わせを割当てる事が出来て、カタカナでの英語発音の記憶からでも正しい母音の発音を再現出来るようになるはずである。

2015年8月11日火曜日

タイ留学に台風の妨害

娘は8月8日、大学最寄りの地方空港から台北乗り継ぎでバンコクへと旅立つ事になっていた。しかし運悪く、超強力の台風が丁度その時間に台湾を直撃。

その一週間前位から、このまま台風が進んだら困るなあと話していたら、その通りになってしまった。しかし、今更どうしようもない。予定の乗継便に乗れなくても同じ航空会社だからバンコクまで航空会社の責任で連れて行ってくれるはず、但し2日位到着が延びる事も想定して準備して行きなさいと娘にはアドバイスしていた。

出発が8時間遅れるとの連絡が前夜になって入った。早朝出発の予定だったから、空港隣接のホテルを予約していたけど。しかし、やっぱり娘は予定通りホテルにチェックインして時を待つ。

それで台北に到着した時には予定の乗継便はとうに出発した後だったと。後続のバンコク行きは満員で、結局翌朝の便に乗ることに。娘は一晩を空港で過ごしたそうな。それでも同じ大学に留学する仲間と一緒だったし、道中の様子もLINEのお陰で把握できたから親としても安心だった。

結局、予定よりほぼ一日遅れてバンコクに到着したらしいけど、着いてみればそんなトラブルも良い経験だったと言えるのも幸せか。

2015年8月5日水曜日

英語の母音は6種類と仏語由来のoi

英語の母音についてのうんちく話。「あ、い、う、え、お」の5種類しかない日本語の世界に耳が適応している者が英語の母音にどう対応するべきか考えた。

英語の母音の数は多い。通常の言語では長母音、短母音と音の長さで区别するものでも、英語では音質の違いで区别していて音の長さでは区别されない。例えば、mitt と meet の母音の違い。日本語話者には「ミット」、「ミート」と音の長さの違いしか感じないけど、実際には短い「イ」の音は日本語の「イ」と「エ」の中間位の音だという。

そんな知識は発音する時に役立つけど、日本語話者にとっては音を聞いて記憶する時は「イ」と「イー」としか区别の仕様がない。と言うよりもそういう区别の手段があるからこそ、5種類の区别しかなくとも英語の異なる母音を異なるように記憶できると言えよう。もし、英語話者のように長短の区别が出来ないのに、区别出来る母音の数が少ないならお手上げである。

母音とは何か。私の理解だと、(1)顎の開き「挟、開」、(2)舌の盛り上がる位置「前、後」、(3)唇「非円、円」の形の3つの要素だけで決まる有声音。有声音とは声帯を振動させること。

これを説明するのに、よく逆三角形を描いてそこに母音を書き入れる。下の方が顎が開き、左の方が舌が前にくる。日本語の場合を図にするとこんな具合。
唇がどうかは図には載らないけど、「お」は円唇でその他は非円唇。日本語以外は一般的に「う」も円唇と言われ、例えばスペイン語の「う」は唇を思いっきり前に突き出して「うっっ」って感じで発音するように言われるけど、日本語の「う」はそうじゃない。

所で、前に英語の母音の発音は「開音節」か「閉音節」かで大いに異なると書いたけど、そのペアって全部で6種類ある…って言うのは私の意見。こんな事、今迄誰も言ってないけど。

でも、ローマ字の母音字は5種類しかないから、英語では、6種類の母音を書き分けるには字を組み合わせるしか方法が無いわけで、oo という組み合わせを作った。この6種類の母音を先程の図に重ねると、こんな具合。但し、これは閉音節のもの。
この a と o が三角形から飛び出てるけど、実際英語では日本語の「あ」に比べるとはるかに大きく顎を開いて a と o を発音する。この二つは「あ」のグループと言えるが、a の方は舌が思いっきり前に出るから「え」に近い音に聞こえる。発音記号では[æ]と書く。以下、発音記号は[]で書くことにする。

一方、o の方はアメリカ発音では甲高い「あ」[ɑ]の音に聞こえ、イギリス発音では甲高い「お」[ɒ]の音に聞こえる。違いは唇の形だけである。アメリカ発音が非円唇で、イギリス発音が円唇である。

それから問題は、この6種類の発音を日本語でどう代用するかだが、カタカナ英語の多くは a と u に「ア」、i に「イ」、oo に「ウ」、e に「エ」、o に「オ」を割り当てていた。

それでは a と u の区别が出来なくて困るから、a には「エヤ」を割当てて見たい。「え」の音と「あ」の音を含み、かつ air エア[eɚ]と区别出来るように。u の音は口は「お」の位置にあるけど非円唇だから「あ」の音に聞こえるので、今迄通りで良いと思う。

では、これに対する開音節の発音はどうなるのか。実は、開音節の発音は英語のABCの読み方でお馴染み。
  1. a 閉…エヤ[æ] 、開…エイ[eɪ]
  2. i 閉…イ[ɪ] 、開…アイ[aɪ]
  3. u 閉…ア[ʌ] 、開…ユー[juː]、[uː]
  4. e 閉…エ[e] 、開…イー[iː]
  5. o 閉…オ[ɒ] 、開…オウ[oʊ]
  6. oo 閉…ウ[ʊ]
さて、ではこの oo の開音節はどういう発音になるのか。

6種類の母音を舌が前のグループ(a e i)と舌が後ろのグループ(o u oo)に分けてみる。そして、u の開音節の発音は「ユー」ではなく「ウー」だとする。実際、sue の発音等はそうなってる。更に、「イー」は「イイ」、「ウー」は「ウウ」だと考える。そうすると、全ての発音が規則的に見える。
  1. 前舌グループは最後が「イ」で終わり、後舌グループは最後が「ウ」で終わる。
  2. 出だしの音は各グループの隣の音である。(あ→え→い→あ)、(あ→お→う→あ)
そうすると、oo の開音節の発音はこの規則から「アウ」[aʊ]になる。で、英語には実際この発音がある。綴りは ou だけど。

しかし、困ったことに、この理論で説明が付かない発音が一つあるのだ。oi オイ[ɔɪ]である。後舌音で始まって、前舌音で終わる。グループを跨いで発音しないはずなのに。

しかし、調べてみると、これは仏語からやって来た綴りだった。但し、仏語では「オイ」とは読まずに「ワ」みたいな発音だけど。

古来(ノルマン征服以前)の英語の言葉でこの発音をするものは私の知る限り存在しない。更に、この oi という発音の元を辿ればラテン語の e に至る。こんな事を知っていると語学の勉強が楽しくなってくる。

2015年8月4日火曜日

父親の出番はかくの如く

日経新聞の私の履歴書は、7月で女優の浅丘ルリ子さんの連載が終わり、8月からは脚本家の倉本聰さんの連載が始まった。まだ幼い頃の逸話が載っているのだが、今日の話は英字ビスケットを万引きした話。

まだ、小学校に入る前の歳だ。その時の記憶が鮮明に残っているのは、きっとおやじさんの対応が見事だったからとしか言いようが無い。

話の大筋はこうだ。母と町までバスに乗って出かけた少年は、お菓子屋さんに寄った際に母が店員と話している隙にAとOの2枚の英字ビスケットをガラスケースの中から取ってズボンのポケットに隠した。帰りのバスの中で少年の怪しい様子に気付いた母に追求され白状した。ここからは原文を引用してみる。
 家に帰ると、両親で善後策を話し合ったのだろう。しばらくすると、おやじが来て「出掛けるよ」とのんびりした口調で言った。説教なんかないままバスに乗った。
 「万引きのこと聞いてないのかな」という淡い期待もむなしく、おやじはまっすぐに菓子屋に向かっていく。店に着くと「英字ビスケットをください」と言った。「いかほど?」「全部。在庫も」「在庫もですか?」「はい」。在庫は「かます」と呼ぶ油紙のでっかい袋にふたつあった。
 おやじは店先のビスケットまで買い占めると「帰ろうか」と言いながらふたつの大袋を肩にかついで歩き出し、帰り着くと袋を納屋に放り込んだ。最後まで説諭はなしだった。 
もし、自分が同じ立場だったらどうしたか、と考える。子供を叱った後、一緒に菓子屋まで行って万引きしたことを謝罪し、代金を払う。それ以上の事が出来るであろうか。

その英字ビスケットは日米開戦後、食糧事情がかなり悪くなった頃に突然おやつに出るようになった。少年は、すっかりかび臭くなったそのビスケットを食べるたびに後ろめたいような懐かしいような不思議な気分になったそうだ。

叱らないでも自分のやったことの意味を分からせる方法がある。しかも、迷惑をかけた店に父親が謝る姿を見せないでちゃんと償っている。その袋の大きさが自分のやったことに対する両親の悲しみを示している。何と見事な対応。

2015年8月1日土曜日

英語の綴りの読み方を教えるべし

学校の英語教育の不思議の一つは、英語の綴りの読み方を教えない事だと思う。

英語を除き、私が習った西洋語は何れも最初に"ABC"の読み方を学び(これが発音を覚える基礎)、次に綴りの読み方を学んだ。

韓国語でもハングル文字の読み方を最初に学び、次に綴りの読み方を学んだ。

中国語は漢字だからそうは行かないけど、最初にピンインの読み方を学んだ。ピンインとは、漢字の読み方をアルファベットで表す方法で、ü という文字と4種類の声調記号を除き全てアルファベットで表現出来る。言わば、アルファベットで表す発音記号である。

英語でも最初は"ABC"の読み方を学ぶ。しかし、中学校の英語の授業では綴りの読み方は習わない。その当時は、英語の綴りはローマ字の読み方とは全く異なるから、単語一つ一つの読み方を覚えるしかない、と思い込まされていた。

確かに、初級英語では綴りは例外だらけである。よく使う単語であれば発音は短く、そして他の単語と同じにならないよう原則から外れるような変化があっても不思議ではない。しかし、国民全部に高校卒業レベルの英語の履修を期待するならば、綴りの読み方の原則をまず最初に教える方が理にかなっている。

最初に少しの労力で綴りの読み方の原則を覚えれば、膨大な量の単語を覚える際に必要な労力は確実に減るものと思われる。原則から外れる読みについても外れるに至ったその単語の歴史があるはずで、その事情を知ればその単語をより強力に記憶に留めることが出来るに違いない、と思っている。

所で困ったことに、英語の原音とはかけ離れたカタカナ英語が世の中に氾濫していて、これが英語の学習の大きな妨げになっている。それは、カタカナ英語を作り出している知識人やマスコミ関係者が生半可に英語の綴りの読み方を知っていると勘違いして原音を確かめないのが原因ではないか、と想像する。

残念ながら、英語の綴りには音節の区切り方やアクセントの位置までは書かれていない。一応、綴りから音節の区切りとアクセント位置を決める法則もあるけど、これは例外が多いからちゃんと辞書で確認しないと判らない。しかし、逆に言えば、「英語の綴り」+「音節の区切り」+「アクセントのある音節」が分かれば、英語の綴りの読み方の原則によって高い確率で原音通りの読みが再現できるはずである。

これは、英語の母音の発音が「開音節」か「閉音節」かで大いに異なり、またアクセントの有無でも大いに異なるためである。因みに、「開音節」とは母音が剥き出しのままで終わっているもの、「閉音節」とは音節中の母音がその後に続く子音で守られているもの、である。母音の間にある子音が前の母音の音節に属するのか、或いは後ろの母音の音節に属するのかで読みは全く異なる。まあ、一応のルールはあるんだけど。

ホント、こんな基本中の基本を学校では全く教えてくれなかったよ。