このブログを検索

2018年2月26日月曜日

NHK BSプレミアム 刑事モース

最近見始めたのが、NHK BSプレミアムで放映中の「刑事モース」というドラマ。不器用なモースが推理力と博識を活かして難事件を解決していく話だ。

主人公はオックスフォード大学中退だが、奨学生だった経歴の持ち主。それだけで優秀な頭脳の持ち主である証明と共に不器用であり、貧しい平民階級出身という事が分かる。英国社会に階層が厳然として存在する事を意識させられる。

欧米エリートの考えている教養

このドラマを見ていると、この世界を動かしている欧米エリートの考えている事が見えてくる。

今回の事件ではオペラが謎解きの鍵だったし、前回は被害者の残した数字が元素番号で、その元素名が犯人の名前を示していたという落ちで、彼らの考えている教養の片鱗を見ている気がする。

単に博識では駄目で、その知識を活かしてこそ本物の教養なのだ。

そう言えば、Dlife で放映中の「スーツ」というドラマでもオペラ好きのルイスというキャラが登場する。こちらはハーバード大出身者で固めた弁護士事務所が舞台で、下町育ちのハービィーが格好いい役でルイスが何時もコケにされているのは、オペラの知識が仕事の役に立ってないからかも…とも思える。

そして、英国の弁護士事務所との合併話があって英国の事務所から派遣された弁護士とそのルイスの仲が悪かったのにオペラと猫が好きと分かってから急に仲良くなったのが面白かった。これも、米国人が英国人をどう見ているのかを暗示しているのかも、と思った。

モース・モーティス・女性

所で、このドラマの話を持ち出したのにはもう一つ理由がある。「刑事モース」というタイトルで「モース・モーティス・女性」の事を思い出したからだ。

それは、私がラテン語の勉強を始めるきっかけとなった「ラテン語のはなし」という本の中で書かれていた。その本を見返して原作者がコリン・デクスターだと確認したから、やっぱりその「モース」だ。

主人公の名前 Morse に引っ掛けて「死」を意味するラテン語の名詞 mors で検死官が呼びかけた、とあって、モースの後に「モーティス・女性」という呼びかけが何故続くのかを説明するきっかけになっている。

私は第3変化名詞の事をこれで知ったのだが、「刑事モース」の読者は当然ラテン語を知っている前提で作者はこの推理小説を書いているのである。

現代の教養

知識があれば物事をより深く理解し楽しめる、という事だが知識を得るには時間がかかる。しかし、現代であれば知識が無くても「検索」という武器が使いこなせればモース並みの推理も可能だろう。

そして、語学についてもまた同じ事が言えるのではないかと思う。人前で流暢に喋る見栄や試験の為という事が無ければ、単語や語彙をひたすら暗記する意味はもう無くなった。情報機器を駆使出来る現代では、言語の仕組みや論理を押さえる方が重要だろう。

学校の語学教育もそうなって欲しいものだと妄想する。

2018年2月18日日曜日

哲学の違い

昨日の日経夕刊のスポーツ2面に、「平岡と平野 哲学の違い」 というタイトルの記事が載っていた。スノーボード男子ハーフパイプの2人の選手の事である。

連続4回転という究極の技で銀メダリストになった平野の滑りを評して、平岡は 「いくとこまでいっちゃってる。歩夢はすごいと思うけど、俺の目指すスノボはそこにない。」 と言った、とその記事は書いている。体を回転させ、着地するだけなら平岡もできる。しかし「やりたくない。命もかかっているんだから。」

スノボは「遊戯の精神」に満ちた遊びだったはずなのに、勝つためには「命をかけた」危険な技が必要な競技になってしまった世の中の流れに 平岡は背を向けたのだ。(実際、この競技で優勝したショーン選手も2位の平野選手も過去 大怪我をしている。)

オリンピックは見世物か

IOCは競技に優先して儲けの為に日程を組み、選手は民衆を歓喜させる為に命を削る。これでは、まるで現代の剣闘士である。

素晴らしい技は民衆を感動させるけど、4回転の成功で民衆の生活が変わる訳では無い。地味だが、確実に世の中を変え役に立つ活動の方が凄いと思う。

羽生結弦の連覇に喝采している妻の横で、「世界最高峰の文房具」だとほくそ笑みながら「こぶりローマ字変換」の新しいアイデアを試す為にパソコンに向かっている私がいる。

2018年2月5日月曜日

サンダルをビブラムソールにする

以前、お気に入りを修理に出すの投稿で書いたビルケンシュトックのサンダルの修理が終わったので受け取ってきた。


ビルケンシュトックでも修理を受け付けていて元通りのソールに貼り替える事も出来た(新品の半額程度の料金)のだが、敢えて靴修理の専門店に出して「ビブラムソール」に貼り替えて貰った。修理代は新品のサンダルよりも少し高い位なのだがソールの厚みが元の3倍はあるので長持ちするはずだ。

ビブラムソールと言えば、私が高校の山岳部に入って登山靴を買った時から知っているブランドで、とても信頼している。サンダルの修理をどうしようかとネットで調べていて、ビルケンシュトックのサンダルをビブラムソールに貼り替えた人がいることを知り、私もぜひそのようにしたいと思ったのだ。

安い製品ならこんなにお金を掛けて修理する気は起きないと思うが、良い物はこうやって大事に長く使っていくことが出来るのだ。

2018年1月29日月曜日

はれのひ事件で思うこと

先日、「はれのひ」という貸衣装屋の社長が記者会見を開いた。海外逃亡か自殺でもするかも、と思っていたが能天気なオジサンだった。

一番悪いのは社長、一番可哀想なのは成人式に出られなかった娘さん達、といった報道のされ方だろうが、記者会見の放映を見て一番悪いのは、こんないい加減な男に融資した連中ではないか、と思った。

そして、一番可哀想なのは給料を貰えなかったその会社の従業員達である。自分達の働きが結果的に被害者を拡大させてしまったという負い目も含めて。

晴れ着を着ないと成人式には出られないのか

成人式の朝、晴れ着を着るのは無理と知り、スーツやドレスを着て成人式に出席した娘さん達もいる。それこそ成人として相応しい行動だと感心する。その一方で、為す術もなく泣いて帰った娘さん達もいる。

それは、成人式に出られなかったのではなく、出なかったのだ。自分の意思で。晴れ着を着なければ成人式には出る価値がないから。成人式という集まりに出てキレイな私を見せられないなら行く意味が無いから。

しかし、貸衣装や着付けの需要が一年の特定の日に集中するなら値段も跳ね上がって当然だが、たったそれだけの事に何十万円も使うのが良い事なのか。
成人式の当日ではない日に晴れ着の写真を撮る(前撮り)だけなら、費用はかなり少なくて済む。ウチの娘もそうした。

前金の商売と投資詐欺の構図が重なる

経営の才覚のないあんな男にビジネスが始められたのは、やはり誰かがまとまったお金を融資したからだろう。人を見る目の無い事が、後で多くの人に迷惑をかけてしまった。

しかし、一旦動き出せば、前金ビジネスにはどんどんお金が入ってくる。事業を拡大し続ける限り、事業が順調に見える。それが被害を拡大させた原因だろう。それは多額の配当金を約束してお金を集める投資詐欺の構図と全く同じに見える。

被害に遭って得るもの

そもそも成人式には出ない、晴れ着の余裕なんてないから、という娘さん達も数多くいるし、親にそんなお金を出して貰いたくない、と考える娘さん達も数多くいるのである。被害に遭った娘さん達は、そういう意味では恵まれていたのだ。

確かに、決して少なくないお金が無駄になったのだが、それでも老後資金を根こそぎ奪われた人達に比べればずっとマシだ。元々見栄の為のお金である。それが無くなっても生活になんらの支障もない。痛い経験もこれからの人生できっと役に立つ…と、前向きに捉えればそれこそ大人への通過儀礼である。

2018年1月8日月曜日

NEXTユニコーン

今朝の日経記事で、新興・中小企業面にあるNEXTユニコーンというコラムにクラウド会計ソフトの会社 freee (フリー株式会社) が紹介されていた。

日経のヨイショ記事

自分が こぶり会計帳簿 というクラウド会計ソフトを開発して無料で公開しているので、クラウド会計ソフトについてはライバル製品について色々と情報を集めている。それに付随して、freee という会社の事もネットから色々と情報が入ってくる。

そういう目で記事を読むと、「これは freee から金を貰って日経が記事を書いたのでは?」 と思える程に悪い情報が一切書いて無い。広告なら仕方がないが、記事ともなれば公平な立場で書かないと、投資家を騙す事にもつながってしまう。

今回の記事は、たまたま私がある程度知っている会社の話だったから記事が極端に偏って書かれている事が分かったけど、恐らく他の記事も似たり寄ったりだろう。日経の記事は眉に唾を付けて読むようにしよう。

財務上の懸念

では、悪い情報とは何か。この会社は毎年大幅な赤字を出していて増資しないと生きてはいられないのである。

赤字に関しては投資先行のスタートアップ企業に於いては珍しい事ではないけれど、減資を毎年繰り返して資本金を1億円に抑えている点が異常だ。(ネットで調べた情報だけど、freee自身が出している情報なので間違いないだろう。)

確かに、資本金が1億円を超えると税務上は大企業の扱いを受けるので不利であるから、資本金を1億円に留めたいのは分かる。

しかし、増資をすると、会社法により払込額の1/2以上を資本金に計上(残りの額は資本準備金)しなければならないから1億円を超えてしまう。

だからと言って、減資をすれば先に投資した投資家がバカを見る。そうさせない為には増資額を現株主に割り当てるしかないのだが、果たしてどうなっているのか?

サービスの競争力

かのアマゾンもスタートアップから毎年巨額の赤字だった。しかし、売上の伸びや競争相手がいなかった事から投資家も未来を信じる事が出来たのだろう。

しかし、翻って freee の状況を見るとどうなのか? 資本金は5億円を超えず、また非公開会社なので損益計算書の公告義務が無いためか、売上は非公表。しかし、ネットで拾った情報によると売上額は赤字額にも満たないらしい。

提供しているサービスは唯一無比と言う訳でも無いし、特許で守られている訳でも無い。(同業のマネーフォワードを特許侵害で訴えたが敗訴した。) 更に、会計ソフトの老舗もクラウド会計に進出してきた。

これもネットで拾った情報だが、公表されているユーザー数の大半が無料お試しの会員である。会計を知らなくても扱えるというのが売りだが、会計を知らないのでは申告では税理士の助けが必要だ。

一方、会計を知っている人には freee のサービスはまどろっこしいらしく、他社の方が使い勝手が良いらしい。つまり、会計を知らなくても良いというコンセプトは筋が悪いのである。

単なる会計ソフトならまだしも、クラウドサービスがもし突然停止となればユーザーの被害は甚大である。そういう事態だけは絶対に避けて欲しいと願うだけである。