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2015年10月19日月曜日

やさしい経済学 教育の意味と価値

日経新聞の「やさしい経済学」では 教育の意味と価値 というテーマで現在連載中だ。興味深い話だな と思っていたら、折しも、今週の週刊 東洋経済は「教育の経済学」が目玉記事だ(新聞広告による)。これはきっとブログにこのテーマを書くように促す天啓に違いない。尤も、新聞に載っているのは公共政策としての教育だけど、経済誌の方は教育による個人的な金銭的得失らしい。

さて、教育の経済学とは、今迄に多かったのは 子供達の大学卒業迄の費用を如何に捻出するか、金策の話であって、その費用に見合う価値があるのかまで考える事は少なかった。

しかし、たとえ一流大学卒の肩書があっても もはや一生安泰ではなくなったと 誰もが思うようになり、また教育費が 恐らく住宅費に次ぐ大きな出費であり 家計に余裕が無くった昨今、単に大卒の肩書を得る為だけに大学に進学させるのも もう無理だ。だから、大学に進学させるのならその意味と価値を考えることは重要だ。

単に経済的な話なら高卒で公務員になる方が有利かもしれないけど、結局は子供達が総合的に見て より幸せな人生が送れるように親として考えるのが大事だと思う。最適解はその家庭の事情や子供の性格と才能によって異なるだろう。世間的に一番と言われている道のりが自分達の子供に最も相応しい道のりとは限らない。

小さい頃は手作りの教育

では、我が家ではどのようにして来たか。子供達二人とも幼稚園から高校までは公立の学校、大学は地方国立大学である。幼稚園は一年保育だったので、その前に一、二年程 幼児教室に通わせていた。

高校入試の前に半年程、週に1回の入試対策講座を受ける為に塾に行かせたのと、小学校と中学校の間はチャレンジという通信教育を受けさせていた。息子は更に高校になってZ会の通信教育も2年程やった(殆ど役に立たず)けど、それ以外には塾や予備校には頼っていない。

その経験から言うと、小さい頃は親が勉強を見てやったり、親が子供の前で勉強するのが一番良い教育だと思っている。自分の時間が使えないから代わりにお金を掛けるというなら仕方ないかも知れないけど、塾代を稼ぐのにパートに行く位なら、その時間を子供達に直接使う方がずっと良い。

そして、高校生になったら学校を最大限に活用する。高3にもなれば夏休みや冬休みには予備校に劣らぬ補習授業もやってもらえるし、個別の質問にも喜んで答えて貰える。少なくとも、子供達の周囲では塾や予備校に頼らない少数派の方が良い所に進学している。

地方国立大学に進学

高校卒業後は取り敢えずの大学進学だった。自分がどう人生を歩むのかを考えるモラトリアム期間である。二人共、進学時点では專門がはっきりとは決まらないような所に進んだ。

ところで、親元から私立大学に通うのと 地方国立大学に行くのとでは費用はそれ程変わらない。受からなければしょうが無いけど、どちらも選べるとしたら地方国立大学をお薦めしたい。親元を離れて自活するのは自立させる為には非常に良い経験だと思う。

それに、欧米では一流大学でも都会ではない立地が多い。勉学に励むというなら都会よりも寧ろ そういう場所が相応しいだろう。

そう言えば、日本人のノーベル賞受賞者で最近は地方国立大学出身者が増えてきた。何でも東大が一番とは限らない。それに、東大には一芸に秀でた天才は入学し難いのだ。