昔、純金積立をしてかなりの金を所有している。去年、あの世に持っていけないのだから、相場に関係なく2ヶ月毎に金を売って行こうと決心した。だが、夏頃から相場がぐんぐん下がってくると売る気も失せてきて、結局は4回売るに留まった。
しかし、相場が下がり気味とは言え、かなりの収入になった。金の売却益は譲渡所得に当たり、総合課税の対象になる。譲渡所得の計算は、売却収入から売却した金の購入金額を差し引き、さらに50万円を控除する。また、譲渡所得は短期と長期の2種類に分類される。5年以上保有していた資産の譲渡は長期譲渡所得となって更にその1/2の額になる。私の場合は後者になるから売却金額からは随分と圧縮される。
それだけ所得額が圧縮されても、計算してみたら譲渡所得は20万円を越えた。給与所得の他に20万円以上の所得のある人は確定申告しなければならない…と思っていたからヤレヤレ大変だな、申告しても税金ゼロだから意味ないのに、もう少し売却を控えるべきだったか…などと考えていた。
しかし、そもそも確定申告するのは所得税が発生する人のはずである。本当に私は確定申告しなければならないのか…という疑問が起きた。そして調べて見ると、正しくはこうなっていた。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える方。私の場合は源泉徴収されてないからこの点はクリア。そして、譲渡所得も含めて所得税額を計算してやはりゼロになるから確定申告の必要はないと分かった。
しかし、確定申告しないとなると、給与所得以外にも所得があり、各種の所得の合計が33万円を超える場合には市県民税の方は申告が必要になるらしい。
で、私の場合は市県民税の方も課税されないはずだけど申告が必要となる。そこは所得税とは異なるようだ。所得証明があるからなのだろうか。
尚、この市県民税の申告だが、市の方にだけ申告すれば良く、市民税と県民税の合計を市に対して納入する仕組みだ。それから、所得税は自分で税額を計算して申告期限迄に納入するのに対して、市県民税は所得の申告後、市の方から税額が通知され、その後納入するという違いがある。
特別徴収になっていれば、その市県民税(住民税とも言う)はその人を雇用している企業が給与から天引きして個人に代わって納入する義務を負う。面倒だから、これからも課税されないように売却量はコントロールしよう。
因みに、住民税は所得割額と均等割額で構成されている。各種所得控除後に所得額がゼロ以下の場合、所得割額はゼロになる。しかし、均等割額まで課税されないようにするには、合計所得金額(各種の控除は含まず)が 家族数×35万円+21万円 以下で無ければならない。控除が含まれないのでハードルが高いけど、今の4人家族だと161万円以下、子供達が扶養からはずれて夫婦だけになった時には91万円以下となる。