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2016年7月31日日曜日

日本語にし易い英語発音を選ぶ

Globish 1500語の発音記号を入力は、現在のところ、403語迄進んだ。その際に思い付いたのだが、日本語話者にとっての理想の発音を決めたいと思う。

それと言うのは、英語の発音は一つの辞書でも複数載っている事もあるし、使う辞書によって異なる事も度々。そのどれを採用するのかは私の選択による。英国式と米国式を混ぜこぜにするのは良くないとは言え、辞書に記載されているものを載せる限り、通じない事も無いだろう。

ちゃんとした辞書を作るのであれば世の中で実際に使われている複数の発音の一つだけを編者の意向で選ぶ事は許されないだろうが、発音を正しく記録できるカタカナ語を作ろうという私的な試みだから許される。

その選び方は、なるべく日本語話者にとって発音し易く、かつ、綴りから規則的に定まる発音に近いのが良い。それに語源から見ても正しいもの。更に条件を付けるとすれば、既に出回っているカタカナ語にも近いもの。

例えば、direct という単語がある。

ジーニアス英和大辞典によれば、音節の分け方は di・rect であり、発音は [dɚ'rekt] | [daɪ'rect] | [də'rekt] | [dɪ'rekt] の4種類ある。

一方、Oxford現代英英辞典によれば、音節の分け方は dir・ect であり、発音は [də'rekt] | [dɪ'rekt] | [daɪ'rect] の3種類ある。

理屈では、i が閉音節なら [ɪ] だし、開音節なら [ə]か 後続の r の影響で米国式に [ɚ] になるはずである。[aɪ] の読みは開音節かつアクセントがある場合だけど、2音節でそのどちらにもアクセントがあるのは例外的だ。

つまり、どちらの辞書も分節のやり方を2通り示す必要があったはずだけど、そんな余裕は無いだろうから仕方ない。ただ、語源からいうと di・rect が正しい。rect はまっすぐという意味のラテン語の単語に由来する。rectangle (直角) も同じ語源。

そんな事を考えて、[də'rekt] の読みを選んだ。

別の例では cast という単語。

これは、米国式には [kæst] と [kɑːst] の2通りがあり、英国式は後者のみである。カタカナ語では配役という意味で「キャスト」がある。

もう一つ caste という単語があって、発音は cast と全く同じだが、階級制度という意味で、カタカナ語では「カースト」と読み、「キャスト」と使い分けている。

どの発音を使うのか、色々考える事も多い。