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日経、軽減税率を考える、2つの説

昨日と今日の日経新聞の経済教室の欄には軽減税率に関する二人の学者の説が載っていた。昨日は軽減税率に賛成の人の説で今日は反対の人の説である。

私は線引の難しさ故に、元から軽減税率の導入には反対だったけど、今日のその説は強烈だった。
国際社会では、軽減税率は消費行動をゆがめ、金持ちを優遇すると知られてから30年以上たつ。何が問題で何を選択するか理解して初めて民意は正しい判断ができる。政治はその役割を果たしたのか。
日経もその役割を果たしたのだろうか。遅いよ。今頃になってこんな大事な説を載せるなんて。更に、こんな事まで書いてある。
最初に付加価値税を導入した西欧諸国は、他国には軽減税率を使わないよう助言している。にもかかわらず新たに導入するのは、先進諸国としては日本が初めてである。
この軽減税率に反対の説の理由は大きく2つある。所得が上がるほど減税額が増える、という点と複数の税率で業者の納税コストと税務当局の徴税コストが多大で経済に悪影響を与える、という点である。そして、低所得者に対する消費税負担軽減の手段としては軽減税率よりも給付の方が優れている事、そして、軽減税率を導入しなかったニュージーランドが西欧諸国に比べて財政が健全である事などが紹介されている。

昨日の論者は軽減税率は成る程所得が上がるほど減税額が増えるのは認めるが、その率に着目すると低所得者の減税の率の方が大きいと主張する。所得税を払えない低所得層に現金を給付する「給付付き税額控除」という方法の価値も認めているが、現状は所得把握がきちんと出来ていないから難しいと判断しているようだ。更に徴税に関しては欧州で導入している国が多くあるのだから日本でもやれるはずだ、という態度だ。

どちらの学者も使っている素材は同じだが、どの素材を使うのか、その素材のどの面を活用するのか、それに味付けをどうするのか、で結論が異なるのだ。

同じ素材からは論理的に結論を導けば同じ結論が得られるはずと思っていたので意外だった。それとも初めから目指すゴールが異なるから、その結論に合うように素材を選び味付けを変えたというのが真実か。

単に結論を鵜呑みにせず、多様な意見を聞き、その論説の素材の妥当性、論説から外した素材は何か、どう論理を組み立てているのか、それぞれ自分の頭で考えて自分なりの意見を持つ事が如何に大切か改めて感じた。