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2016年1月26日火曜日

今年は電子署名出来ないから

今迄、法人に関する申告はeTAXを使ってやっていたが、今年は電子署名出来ないので紙で提出した。

電子署名するには電子証明書が必要だ。電子証明書は住基カードに入れた公的個人認証サービスのものを使ってきたが、転居により無効となっていた。転居時に取り直すことも出来たが、手間もお金も掛かるし、マイナンバーの制度になったら無料で電子証明書も貰えると聞いたのでそのままにしていた。間に合うかは微妙だったけど、駄目でも紙で出せばいいと思って。

さて、去年マイナンバーの通知が届いた時には早くカードが欲しいから即日に申請書を送ったのだが、一向に届く気配がない。期限ギリギリ迄待つのも精神衛生上良くないと思ったので、今年はさっさと紙で出すことにした。

まず、2月1日(通常は1月末だが今年は休日に当たるので)が期限の法定調書と源泉徴収票。法定調書はeTAXで電子署名出来る所まで作成してからプリントアウトしたものを税務署に持参したら、それで受け付けて貰えた。

それに味をしめて法人税の確定申告書もeTAXで作成し、昨日提出した。eTAXで作成すると、自動的に記入される欄もあって手書きよりも楽だし、控え(A4用紙で17枚分に当たる)を電子的に保存しておけるから都合が良い。

一方、法人県民税と法人市民税の申告は枚数少ないので正式の用紙に手書きした。法人県民税の申告は昨日、B市の法人市民税は今日提出。そして、A市の法人市民税は明日提出の予定。

今年は、法人の預金口座を利子が付かないようにしたお陰で、法人県民税の提出すべき用紙が2枚減り、2枚提出するだけで良い。そして、法人市民税は1枚のみ。更に、今期の決算で繰越欠損金をゼロにするように債務免除したから、来年は法人県民税も1枚で済む。

繰越欠損金とは青色申告法人の所得がマイナス(税法では欠損と呼ぶ)になった時に、その欠損額を翌期以降に繰り越して所得から差し引ける金額の事だが、その為には法人税の確定申告書に持ち越す欠損額を書く別表7(1)を追加する必要がある。

法人県民税も法人市民税も法人税の申告を基準にしてるから法人税の確定申告書で書いた内容を繰り返す必要は無さそうだが、法人県民税の方は持ち越す欠損額を記入するために第6号様式別表9というものを追加する必要があるのだ。

さて、この欠損金だが、将来黒字が見込めるならこの欠損金で所得額を減らして税金を少なくすることが出来る。将来所得から控除してもらう気が無ければ、欠損金があっても余分な別表は書かなくても構わないのだが、そうすると役員借入金という私から会社への貸付金が際限なく増加していく事になる。それは私の名目の財産額が増えてしまう事になって(妻子への相続の時などに)面倒である。

会社が黒字になれば私からの借入金が減らせるのだが、私は自家用法人を黒字化する気が無い。そうすると借入金を減らす手立ては債務免除しか無い。

所で、借金の貸主が債務免除した金額は、法人にとっては何もしないで儲けたのと同じ事になって会計上は債務免除益という利益が発生する事になる。しかし、その債務免除益が繰越欠損金とその年の欠損金の合計以内なら所得がゼロ以下になるから課税されない。

繰り越せる欠損金には年限があって、今回の申告が創業年の欠損金を所得から控除できる最後の年なので、もう先延ばしは出来ない。だから、今回は創業以来積み上がってきた欠損金を全て解消するようにした。又、来期からもその年度の所得がゼロになるように債務免除していく積もりだ。そうすれば繰り越すべき欠損金が無いから申告も楽になる。

所得がゼロとは言っても、法人の決算は税金を払った分だけ赤字になっている。今年の決算で繰越利益剰余金は -710,600円、去年までに払った法人県民税と法人市民税の合計額に一致する。極めて分かりやすい会計と言えよう。