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2016年3月7日月曜日

愚民で民主主義が危機

米国大統領の予備選挙の事が世界中で話題になっている。

その気になれば世界中に向けて核ミサイルの発射を命じる事も出来る、その米国大統領に異常な人間が当選することになれば大変な事になる。以前、そんな事が起きないように予備選挙という長丁場の候補者選びがあって、不適切な人物は排除されるから大丈夫だと聞いた記憶があるが、どうも違うようだ。

日曜日の日経新聞でも、問題のトランプ氏の主張する減税の財源が全く的外れだとか、英フィナンシャル・タイムズのコラムからの記事でこの人物の危険性に関する話とかを取り上げている。

そんな人物が何故予備選挙で勝っているのか、と言えば、勿論、その人物に投票した大勢の民衆がいたから。それを多数決で決めたから。

民主主義と言うのは王様とかでなく、民衆の意思による政策を行う主義の事だが、王様の時のように一人の考えでは無いから民衆の意思が一致しない場合に困る。議論を尽くして全員の意思が一致すれば良いのだが、そうも行かない場合には多数決によって意思を決定する、という方法がある。

これは確率論的には、もし個人が5割よりも多少良い確率で正しい判断を下せるものとすれば、多数決により民衆の意思はほぼ100%の確率で正しい事になる。但し、これは個人が自分の頭で考えて決めた場合である。

もし、特定の人物の発言を鵜呑みにする人間が民衆の多数を占めていたとすれば、多数決の結果は正しいとは限らない。

だから、自分で考え自分で判断する人間に育てるのが教育の目的だったら、多数決による民主主義はうまく機能するだろう。しかし、命令には逆らわず、忠実にそれを実行出来る能力を獲得するのが教育の目的だったら、良識が抹殺される恐怖の世界が待っている。