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2015年9月10日木曜日

英語 二重母音字の読み方など

英語には三重母音(綴りには r が入ってる)も存在するけど、母音字が重なるのは二つが最大である。

英語の母音字には a i u e o の5文字の他に y w もある。但し、y w は後ろに母音字が来れば子音になるから、二重母音字の組み合わせは 5*7=35通りも考えられるけど、実際に使われるのはそれ程多くない。

これ迄に説明したのは、oo と ou のみ。しかし、英語に出てくる(アクセントのある)母音は今迄に全て説明した。だから、二重母音字の発音はそのどれかになる。逆に言えば、同じ発音に異なる綴りが存在する場合がある。

そればかりか、同じ綴りに異なる発音が存在する場合もある。

結局、綴りも発音も個別にキチンと覚えておく必要はあるけど、原則と例外を知っていれば記憶する労力も減ることだろう。

二重母音字の存在意義

まず、これ迄に説明したように、英語の母音は6種類あるから5種類の母音字では不足する。このため、 oo と ou そして6種類からはみ出す異端児 oi の場合のように母音字が一文字だけでは発音出来ない音を表現するのに二重母音字が使われる。これが第1の理由。

さて、今迄に説明した母音の内、閉音節の母音は後ろに絶対に子音が必要なのに対して、開音節の母音は後ろに子音がある場合も許される。

その子音が語尾なら、その後に黙字の e を加える事で開音節の母音の発音として読めるけど、その子音の後に更に字が続けば e を加えるやり方では不可能だ。(その e は発音されてしまう。)

そういう時に、二重母音字が開音節の母音の音を表現するなら問題が解決する。これが第2の理由。

それから、英語は語尾が黙字の e 以外の母音字( a i u o )で終わることを好まない(例外はあるけど)ようである。しかし、i と u にはその身代わりの y と w を充てれば(例 by「バイ」、new 「ニュー」…単に u の代わりに w をつかうことは無くて ew を使う。)済むけど、a と o の開音節の時に困る。

じゃあ、黙字の e を付ければどうよ、というやり方もあるけど、例は非常に少ない。(重要単語では toe 「トウ」位か。shoe は「シュー」って発音だし。)

そういう場合、英語は ay と ow というように綴る。そして、この綴りと等価な ai と ou が語中にも使われようになる。これが第3の理由。但し、そうすると、今迄 ou は「アウ」と発音すると説明して来たが、「オウ」という発音もあり得るのだ。
因みに、グロービッシュの語彙1500語の語尾がどんな母音字で終わるのかを調べてみた結果を示す。 a は9語、i は1語( I )、u は1語( you )、e は370語、o は11語、y は103語、wは28語。
外来語が綴りを変えずに英語に入ってきた場合には、その綴りに含まれる二重母音字をどう読むのか決めなければならない。最初の母音字を開音節の発音で読む場合が一番多いけど、同じ綴りでも違った読みになったり千差万別である。これが第4の理由。

最後に、同音異義語を書き分けたいとすれば、同じ発音で異なる綴りになるようにしたい。この為の二重母音語もあろう。例えば、see と sea はどちらも「スィー」と発音する。これが第5の理由。

この5種類の要因で、英語の綴りには二重母音字が存在していると思っている。

開音節の母音字と等価な発音

a 「エイ」 ai ay ei ey
i 「アイ」
u 「ウー」 oo
u 「ユー」 eu ew
e 「イー」 ee ie ea
o 「オウ」 ou ow oa

調べてみたら、「アイ」と発音する二重母音字は無いようだ。

それから、oo は閉音節の母音「ウ」だけでなく、「ウー」という発音もある、というか、こっちの場合の方が多い。u 単独の開音節の発音は「ユー」の場合が殆どで、使い分けているようだ。ただ、「ウ」と発音出来る綴りは oo しかないので、私としては、oo の代表的発音は「ウ」としたい。

同じく、「アウ」と発音出来る綴りは ou と ow だけなので、私としては、ou の代表的発音は「アウ」としたいけど、これを「オウ」と発音する場合も多数ある。

注意点として、ie を語尾に用いた場合は e は黙字として解釈され、「アイ」の発音になる(例、pie 「パイ」)ことがある。

閉音節の母音字と等価な発音

e 「エ」 ea

この発音の場合は必ず後ろに子音が来る。この同じ綴りで開音節の発音「イー」もあるけど、そっちは後ろに子音がある場合もある。その場合、綴りから「エ」なのか「イー」なのかを区别することは不可能だと言える。後ろに子音が無ければ確実に「イー」であるが。そう言えば、read は現在形なら「'イード」で過去形なら「'エッド」なのだった。

その他の二重母音字

or 「オー」 au aw
oo 「ウ」 oo
ou 「アウ」 ou ow
oi 「オイ」 oi oy

以前の投稿で書いた二重母音字も再度出しておく。この内、「ウ」の発音は閉音節だから、必ず後ろに子音が来る。

これで決まった読み方の二重母音字は ほぼ出揃った。

おまけ

al 「オール」 又は 「オー」 又は 「アー」

これは二重母音字ではないけれど良く出てくる読みだ。後ろに k が来ると「オー」(例 talk 「トーク」)で f や m が来ると「アー」(例 half 「ハーフ」、palm 「パーム」)になる。

最後に

二重母音字のように見えても、音節がその母音の間で分かれていれば二重母音字ではない。(例 area … ar・e・a 「エア'イア」)

だから、英語の綴りだけでなく、音節の区切りとアクセントの位置を同時に覚えることが大事だ。それは、発音を覚える手助けになるし、英文を書く時にも単語の途中で改行するには音節の区切りの位置でしか出来ないのだから、その為にも必要だろう。