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思い立ったが吉日

今日、金を売ってみた。

GP@積立くんでは100g単位しか売れないから、100g売ってみた。田中貴金属が示した今日の買取価格は1g当り5,164円なので、516,400円がクリックするだけで手に入った。簡単すぎて怖い。間違えてゼロを1つ多く打っても、ひと度クリックすれば、もう取り消せない、売却益で税金発生となってしまう。

売却は値段を指定して予約することも出来るらしい。その日の買取価格よりも高い値段を付けておけば相場が上がってその日に売るより多くの収入になるかもしれない。しかし、一向に売れないかもしれない。つまり、売却を運に任せる訳である。だから、思い立ったが吉日である。売ろうと思った時、その値段で手を打とう。自分の売却の意思を運に任せないようにしよう。と言うのは、そのことで私は苦い体験をしたことがあるから。

それは金ではなく株式の売却の話である。その当時、私は持株会で自社株を保有していたのだが、米国の本社が事業部を別会社にして株主に株式を割り当てることになった。米国の法律ではこれは株式の分割と同じ扱いで株主に税金がかかることはなかったのだが、日本ではこの無償で割当てられた株式に対して課税扱いされることになった。

そこで株式割り当ての権利が確定される前に持ち株を売却することにしたのだが、欲を出して少しでも高く売ろうと指値で売却の指示をした。しかも、相場より高めの幾つかの売値に持ち株を分ける指示して。

そうすると少しは売れたのだが大半は残ったまま期日は迫ってくるのに相場がどんどん下がりだした。結局、期日ぎりぎりになって成り行きで売却する羽目になってしまい、売ろうと思った時に全部売却するよりも相当な損になった。相場は期日が過ぎたら元の値段まで戻して更に悔しい思いをした。

それ以来、売る時も買う時も指値ではなく成り行きで注文することにしている。自分の決断を運に任せないで確実に実現するのだ。尤も、流動性の低い株を売買するときに成り行きで注文すると思わぬ高値で買ったり安値で売ったりという危険性もある。自分の売買が相場を動かしてしまうのだ。

そういう場合は指値で相場よりもやや高い買値、やや低い売値を指定する方が良い。指値とは言っても指定した買値よりも安く買える場合もあるし指定した売値よりも高く売れる場合もある。ただ、高く買ってしまったり安く売ってしまうことだけは絶対ない。言わば保険付きの成り行き注文なのだ。但し、売買が成立しない可能性もなくはないのだが。

ところで、金の現物は業者が買取も小売も値段を示して売買する。買取と小売の値段の差はスプレッドと呼ばれている。このスプレッドで業者は利益を得る。鑑定や精錬と再生の費用もこのスプレッドから出す。とは言え、金の現物の買取はブランド品の買取などよりはるかに良い条件だ。今日の小売価格1g当り5,249円に対する買取価格の割合は何と98.38%である。

このように業者が買値と売値を示して取引するものに外国為替証拠金取引(FXとも言う)もある。こちらのスプレッドは金の現物よりもはるかに小さく、例えば現在のUSドル円の取引なら1ドル当り0.5銭程度と言うから、売り買いの比率で言えば99.996%である。スプレッドが小さいのは嬉しいがそのお陰で提示される買値と売値は相場の変動に応じて秒単位(金の場合は相場が急変しない限り日毎)でどんどん変更される。

株の売買は市場を通す。売買の相手は見知らぬ客である。売値イコール相手の買値、買値イコール相手の売値。証券会社はスプレッドではなく、取引手数料を取ることで儲ける。市場という公開された相場を通じて取引することで不当な値段を防ぐ。

一方、金も外国為替証拠金取引も売買の相手は業者である。市場相場ではなく、相手の示す売値と買値のみで取引される。だから株式の成り行き注文みたいに幾らで売買が成立するか分からないことはない。この売値と買値を同時に示す方法は市場がなくても不当な値段を防ぐ巧妙な手法である。もし、業者が不当に安い値段を示して買い叩こうとしているのなら、売値も同時に不当に安くなっているはずだから逆にその売値で大量に買われてしまうことになり、業者は大損するからだ。

さて、今日は初めての金売却記念日なのでケーキを買ってみた。工事のため駅前の支店が暫く閉鎖することになった地元の洋菓子店の本店に行ったのだ。駅前の支店は繁盛していたのに、かつての客達は駅から遠いから面倒臭いのか、或いは本店の場所を知らないのか、本店には閑古鳥が鳴いていた。私はその店を気に入っているので、お店が潰れないようにと念じながらティラミスとショコラフレーズ(苺入りチョコケーキ)を買った。