息をのむほどシンプル

投稿タイトルは、本日の日経新聞の読書欄にある「ジョナサン・アイブ」という作品を紹介する冒頭の言葉だ。

日経新聞は日曜日が一番いい。無駄な株価欄が無いから。今時の投資家でネットで情報も取れない者がいるとは思えない。時間遅れの個別株価や投信の個別基準価格を貴重な紙面何枚も割いて載せる意味がどれだけあるのか、日経には真剣に検討して貰いたい。

日曜日には株価欄がないから文化欄が充実する。読書欄に美術欄。平日だって、紙面の最後は文化欄だし、夕刊は多彩なコラムが面白い。投資やるなら日経でしょ、と思って取り始めたけど、意外と文化欄が充実していて、それが今でも取り続けている大きな理由だ。

それで本の話に戻るが、ジョナサン・アイブはアップルのトップデザイナーである。その書評の中に、
…ジョナサンが製品の形だけでなく、実用性や使い勝手はもちろん、中に収められた部品を全て計算し、その上に、製造過程までを想定してデサインしていた…
という説明がある。そうなのだ。本当にシンプルである為には、何が必須で何が不要なのかを熟知した上でデザインしなければならない。 形だけのシンプルさでは、必要な要素が抜けていて使えなかったり、或いは単純なだけで無駄な部分が削られてなかったりする。

それは自家用法人でも当てはまる。目指すは息をのむほどシンプルな会計帳簿と申告書類。完全に趣味の領域なんだから、仕訳を一つでも少なくしたい。書類も一枚でも少なく。

税理士の指導は真逆である。経費は一円でも多く計上すべし。使える引当金は最大限利用すべし。会計は複雑怪奇に。その方が自分の報酬も増えるし。その指導は企業会計基準に沿っていて、利益を最大化するためのもので、一般的に言えば間違いではない。

しかし、自家用法人は違うのだ。会計と申告は法を守るために最低限必要なことだけ。税務署が認める限り最大限に簡素化する美学を追求してみよう。

そうすると、経費を計上する必要は全くない。明らかに必要な経費でも社長がポケットマネーで支払って大丈夫。なぜなら、それで法人の所得が増えるから。税務署は所得が増える方には寛大で、減る方には厳しい。引当金もそう。それは合法的に所得を一時的に減らす(計上した時か増加させた時だけ)訳だから、計上しなくても大丈夫。

しかし、法人税等も社長のポケットマネーで払いましょう(記帳せず)、と言うのは脱税になる(と思う)。

まず、法人税等は税法上は経費じゃないから、社長のポケットマネーで支払っても会社の所得は増えない。そして、法人税等は課税された後に残った利益(もしくは会社の借入金)から支払うのが正しい。

そうしてから法人税等の額を後で会社に贈与しても、最初から社長のポケットマネーで支払う場合と残る資産の額は同じにならない。贈与分に課税された後の金額が法人税額等になるには余分に贈与が必要になる。この差額が脱税に当たるはずである。(税務署には確認してないが)

形だけのシンプルさの怖さだ。